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「つくる会」教科書検定合格に対するNGO共同アピールを発表

投稿日時: 2009-04-14 (1063 ヒット)

 2009年4月9日、文部科学省は、「新しい歴史教科書をつくる会(以下、「つくる会」)」が自由社から検定申請した中学校歴史教科書(以下、自由社版教科書)の検定結果と合格を発表しました。
これを受けて、アジア女性資料センターを含む36市民団体はNGO共同声明を発表しました。

 検定に合格した自由社の教科書は「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーらが執筆したもので、扶桑社が発行する中学歴史教科書と記述の約8割が共通しています。この教科書は516か所にもおよぶ欠陥が指摘されて、いったん不合格になりました。教科書出版社の常識では考えられないようなずさんな編集体制の下でつくられたことを示しており、教科書としての信頼性が極めて乏しいことは明らかです。
 「つくる会」の自由社版教科書の内容は、扶桑社が出版したものとほとんど同じ内容で、多くの誤りだけでなく、重大な問題点もそのまま引き継がれています。
 第1に、日清・日露戦争以降の日本の戦争を美化・正当化し、日中戦争は日本の侵略ではなく中国側に責任があるとし、アジア太平洋戦争を「大東亜戦争」とよんで、それが侵略戦争だったことを認めず、日本の防衛戦争、アジア解放に役立った聖戦として美化し肯定する立場がつらぬかれています。
 第2に、「神武天皇東征」を「伝承」としながらも、大和朝廷成立のところで扱うなど神話をあたかも史実であるかのように描いています。
 第3に、天皇と国家を前面に出し、日本の歴史を天皇の権威が一貫して存在した「神の国」、天皇と国家、為政者の「栄光の歴史」と描き、民衆の歴史、特に女性や子どもについてはほとんど描かれていません。
一方で、韓国や中国などアジア諸国の歴史を根拠なく侮蔑的に描き、その上に立って、国際的に通用しない偏狭な「日本国家への誇り」や「日本人としての自覚」、歪曲した「歴史に対する愛情」を強制的に植えつけようとしています。自由社版教科書の全体をつらぬく「あぶない」内容は本質的に扶桑社版と同じだといえます。
 歴史を歪曲し、戦争を賛美し、憲法「改正」・「戦争をする国」をめざし、国際社会での孤立化の道に踏み込む自由社版及び扶桑社版の「あぶない教科書」が、子どもたちの手に渡されることを、私たちは許すことはできません。
現在、公立の学校で扶桑社版の「あぶない教科書」が採択されている東京都杉並区(歴史)、栃木県大田原市(歴史・公民)、東京都立中高一貫校と特別支援学校(歴史・公民)、滋賀県立中高一貫校(歴史)、愛媛県立中高一貫校と特別支援学校(歴史)、一部の私立中学校(歴史・公民)において、採択をやめさせるために、当該地域はもとより全国的な活動が求められています。
 さらに、来年開校予定の東京都立中高一貫校をはじめ、各地域で扶桑社版及び自由社版教科書を採択させないよう声を上げ、関係機関への働きかけを強めていく必要があります。


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