拷問禁止委員会が「慰安婦」問題について政府に再報告を要請
2009/05/21拷問禁止委員会(CAT)は5月11日、日本政府による同委員会最終所見へのフォローアップ報告は不十分であるとして、「慰安婦」問題を含むいくつかの項目につき、さらに詳細な情報を提出するよう求めました。
拷問禁止委員会における初の日本審査は2007年5月に行われ、最終所見では、女性に対する暴力を含む多くの人権問題について、日本政府に対する勧告が行われました。
そのフォローアップとして、「慰安婦」問題解決に関する勧告(パラグラフ24)を含む特に重要な4つの項目について、同委員会は日本政府に対し、1年以内の追加的情報提供を求めていました。
これに対し日本政府は2008年5月29日に、「最終所見へのコメント」という形で、委員会に追加報告を行っていました。今回の委員会の要請は、この日本政府の報告に対するものです。
同委員会のフォローアップ担当報告者フェリス・ガエル委員は、日本政府に対し、さらに詳細な報告を求め、「慰安婦」問題に関するパラグラフ24については、次のようにコメントしています。
「最後に、パラグラフ24における勧告について、(拷問禁止)委員会は、いかなる責任者も起訴せず、また、第二次世界大戦中の性暴力被害者に対し適切なリハビリテーションを提供せず、これら被害者に継続する虐待と再トラウマ化をもたらしている日本政府の行為は、拷問禁止条約における政府の義務に適うものではないとの見解をあらためて表明します。
第二次世界大戦中の性奴隷制の加害者を起訴するために日本政府が取った手段についての情報を提供してください。また、戦時虐待の全てのサバイバーに対する公的補償、また性・ジェンダー暴力に関する生徒および公衆への教育を行うために政府がとった法的・行政上の効果的手段についての情報も提供してください。
委員会はまた、日本政府に対し、戦時性暴力の犠牲者をおとしめたり、その事実を否定するような試みに対し、公的に反論し、制裁を科すよう求めます。」
関連資料
●拷問禁止委員会による日本政府へのさらなる追加情報提出の要請書(2009/05/11)
●日本政府による追加報告(委員会勧告への日本政府コメント)(2008/05/29)
●上記日本政府追加報告に対するアジア女性資料センターの意見
●その他拷問禁止条約に関係する資料はこちら
http://ajwrc.org/jp/modules/pico2/index.php?content_id=3