不二越女子挺身隊訴訟:高裁で棄却
2010/03/10戦争中、朝鮮半島から連行され、富山市の機械メーカー「不二越」で強制労働に従事させられた元女子勤労挺身隊の女性たちやその遺族らが、不二越と国に対し、謝罪および未払い賃金などの支払いを求めて起こしていた訴訟について、3月8日、名古屋高裁金沢支部は、強制連行や強制労働の事実は認定しながらも、「日韓協定により個人被害者は請求権を失っている」として控訴を棄却した。
当時12~16歳の少女だった被害者たちは、「学校に通える」「金もうけができる」などと言われて来日したが、実際には教育の機会はあたえられず、不二越の工場で飛行機の製造などの重労働に従事させられた。
判決では、国や不二越が勉学の機会を保障する等と説明したことを不法行為と認定。また国側の「国家無答責の法理」の適用を退けた。その一方で、「日韓請求権協定によって、個人の請求権は消滅しており、韓国民の請求に応じる法的義務はない」として請求を退けた。
原告側弁護士は、「国や不二越の不法行為を一審より明確に認めたことは一定評価できるが、日韓請求権協定の解釈はおかしい」と判決を批判。提訴から7年が経ち、すでに高齢となられた被害者たちは判決に悔しさと怒りをあらわにした。原告団は、東京と富山で抗議行動を行う予定だ。
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