ロンダ・カプロンさん死去
2010/06/15 ジェンダー正義の観点から国際人権法の発展に大きな功績を残し、2000年女性国際戦犯法廷では法律顧問をつとめたフェミニスト法学者、ロンダ・カプロンさんが、5月4日、65歳で卵巣癌のため死去しました。
ロンダさんは1944年アメリカ生まれ。法律家としてアメリカ国内で女性差別や人種差別に関わるいくつもの重要な訴訟を手がけたほか、海外の人権侵害被害者がアメリカの法廷で訴訟を起こす道を開きました。
さらに、国際人権法にジェンダー視点を導入するため、1993年のウィーン人権会議や1994年のカイロ人口開発会議、1995年の北京女性会議などで、女性の権利を国際人権として位置づける上で、盟友のシャーロット・バンチさんとともに主導的役割を果たしました。「ジェンダー正義のための女性コーカス」を立ち上げて国際刑事法廷(ICC)の憲章にジェンダー正義の視点を導入するよう働きかけたほか、ルワンダや旧ユーゴスラビア国際法廷にも専門家として参加し、レイプを国際法における犯罪構成要素として位置づける上でも大きな貢献を残した方です。心よりご冥福をお祈りします。