(10/29)海外で「女性支援」に関わるということ 第3回
2010/07/15秋の連続セミナー
海外で「女性支援」に関わるということ
~援助と運動の結節点を探して~
「援助機関やNGOの職員になって、困難な状況にある海外の女性たちを支援したい」という希望をもつ人は、しだいに増えています。しかし、実際に外部からの「専門家」「研究者」「教育者」といった立場で当事者の女性たちと関わってみると、自分と彼女たちの関係のあり方に戸惑う人が少なくありません。
「支援相手」の女性たちにとって、外部からの関与は、どのように映っているのでしょうか。「援助」としての関わりと、「運動」としての連帯には、どのような違いと関連があるのでしょうか。
このセミナーでは、女性運動に関わりながら、海外で開発における女性支援にも携わってきたゲストスピーカーを招いて、開発における女性支援の実際、女性支援と女性運動、支援者と当事者の関係性などについて、議論を深めていきます。
――ネパール、バングラデシュ、ガーナで働き、暮らす 講師:田中雅子さん
会場:渋谷区女性センターアイリス[地図]
開発援助の仕事のため長期にわたって現地で生活することは、生活の場を築くことでもあり、「公私」両方のつき合いが生まれます。これまでは、援助機関は、運動の支援は「政治的」としてタブー視することがありましたが、「当事者の権利」を優先する立場に立てば、運動を支援することも可能になります。1995年から2009年まで世界各地で開発援助に携わった経験から、開発援助と社会運動の関係について話し、国内の運動への生かし方を考えます。
講師プロフィール:95年より09年まで国際協力の実践に関わる。現在、文京学院大学教員、アジア女性資料センター運営委員。 第2回 9月28日(火) 人権活動家・大学教員・コンサルタント・援助機関専門家として――カンボジアでの13年 講師:中川香須美さん
会場:東京ウィメンズプラザ[地図]
カンボジアは1993年に民主的な総選挙を実施し、政治の安定にともなって経済成長を遂げてきました。しかし女性の地位は依然として低く、DV被害や人身売買、性暴力など、女性への暴力も連日起きています。1997年からカンボジアに暮らし、人権活動家、援助機関の専門家、大学教員など、立場は変わりながらも、カンボジア女性たちと関係を築きながら女性の人権保護に関わってきた経験を話します。
講師プロフィール:97年よりカンボジア在住。日本大使館、人権団体、大学、国連機関を経て、現在JICA専門家として、人権、ジェンダー問題、特に女性に対する暴力の分野に関わる。
第3回 10月29日(金) 女性と灌漑――紛争後の東ティモールにおける国際援助とジェンダー 講師:古沢希代子さん
会場:東京ウィメンズプラザ
1999年の住民投票後の騒乱による破壊をへて歩み出した東ティモール民主共和国。その復興開発にはこれまで国際社会から多額の資金が投入されてきました。中でも灌漑施設の復旧は多く人が農業で暮らす東ティモールでは重視されてきました。しかし灌漑開発への国際援助には「援助」にかかわる過去の教訓はいかされたでしょうか。21世紀の援助の現場でジェンダーの視点は組み込まれたでしょうか。現地調査にもとづいて報告します。
講師プロフィール:JICAより東チモールに専門家として派遣。東京女子大学教員
第4回 11月(日程未定) アフガニスタン女性支援――希望と現実のはざまで 講師:久保田真紀子さん
9.11後、にわかにアフガニスタン女性の窮状は国際社会の脚光を浴びるようになり、女性支援をうたう開発援助プログラムが数多く行われるようになりました。現地に派遣された外国人「ジェンダー専門家」は何をしてきたのか、また女性運動はどのように関わることができるでしょうか。アフガニスタンにおける「女性支援」の現状と課題について話し、私たちの役割について考えます。
講師プロフィール:アジア女性資料センターに勤務後、JICAよりアフガニスタン女性課題省に派遣。現在、開発コンサルタント。
●参加費 各回一般1000円、会員・学生500円
●時間 各回19:00-21:00
●会場は変更になっているので、ご注意ください。
●お申し込み・問い合わせは
アジア女性資料センター(ajwrc@ajwrc.org)まで