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国連:攻撃の対象となる女性人権活動家

2011/03/14

国連人権活動家の状況に関する特別報告者のMargaret Sekaggya氏は、12月20日、世界各地で女性の人権やジェンダー平等のためにはたらいている活動家たちが直面している困難や危険に焦点をあてた第3回報告書を提出しました。

報告書は、2004~2009年にかけて、世界各地で人権問題や女性の権利にとりくむ女性活動家やその家族が直面している課題や危険について分析したもの。
女性活動家に対する暴力や危険としては、(1)脅迫、殺害(2)逮捕、拘留、起訴(3)非難(4)レイプその他の性暴力がありました。報告書は、とりわけ深刻な問題として、以下を挙げています。

・恐るべき数の女性活動家が生命の危険にさらされている。特別報告者には39件の殺害、35件の殺人未遂の報告が寄せられた。
・南北アメリカ、特にコロンビア、メキシコ、グアテマラ、ブラジル、ホンジュラス、ペルーは、女性人権活動家に対する脅迫や危害がもっとも多く起きている地域である。とりわけ、加害者の不処罰と闘う活動家に対する危険は非常に深刻である。そのほか、労働権、先住民族の権利、環境問題や土地問題にとりくんでいる女性活動家の直面する危険も特筆された。
・LGBTの権利にとりくむ活動家は、逮捕や法的いやがらせ、拘束から、集会の禁止、非難、暴行、さらには殺害やレイプにいたる、さまざまな暴力と危険にさらされている。スーダンやウガンダなど、アフリカ諸国において特に深刻である。

報告書は、女性活動家たちに対し、政府による逮捕、拘留、捜査や、公正な法手続きがゆがめられるといった危険な傾向についても明らかにしました。中央アフリカや南部アフリカでは、脅迫や殺害の脅迫がもっとも多く報告されているのに対し、中国やイランなどアジアにおいては、逮捕や懲役刑がもっとも多く報告されています。ヨーロッパや中央アジアでも、逮捕や拘留による法的嫌がらせが多くおきています。

しかし多くの国では、政治的意思の欠如や、ジェンダーへの配慮の欠如などのため、女性の人権活動家を保護するための十分な対策がとられていません。女性活動家たちも自衛策を講じていますが、特別報告者は、すべての人権活動家の保護は国家の責務であることを強調しています。

報告書は、女性活動家たちが直面している暴力や危険は、彼女たちの行っている活動そのものから生じていることを理解しなくてはならないとして、「女性活動家の安全は、彼女たちのコミュニティの安全と直結しており、民主主義を深めること、不処罰とたたかうこと、経済的不平等をなくすこと、社会と環境の正義にむけて努力することを含む、包括的なアプローチによってのみ実現できる」としています。
国家に対しては、女性活動家たちの特別で重要な役割を認めること、彼女たちに対する人権侵害について速やかかつ公正な調査を行い、不処罰とたたかうこと、活動家を保護するプログラムのためにより多くの資源をさき、またジェンダー視点を導入すること、攻撃の事例を記録するメカニズムを向上することなどを勧告しました。また、活動家保護プログラムやその他のとりくみにおける協議に、女性活動家の参加を保障するよう求めました。

特別報告者レポート原文へのリンクAWID (2/17) Women’s Human Rights Defenders: A Clear Target Of Violence And Repression

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