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国連:LGBTに対する人権侵害について初の報告書を公表

2011/12/26

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は12月15日、LGBTに対する人権侵害について初の報告書を公表しました。

この報告書は、今年はじめの国連人権理事会の要請にもとづき、OHCHRが国連への報告やNGOのレポートをもとにまとめたもので、性的指向やジェンダーアイデンティティにもとづく殺害やレイプその他の暴力、同性愛の犯罪化や拘束、その他差別的法律、雇用や健康、教育面における差別的慣習の事例について報告しています。

LGBTの人々は、宗教右派や武装組織、ネオナチ、ナショナリストなどによる組織的暴力のターゲットとされやすく、他のヘイトクライムと比較しても非常に残虐な暴力にさらされていますが、被害者は警察を恐れていたり、自身がLGBTであると公表することを恐れて、警察に届けないことが多いと指摘されています。
同性愛行為は76カ国で犯罪とされており、イラン、モーリタニア、サウジアラビア、スーダン、イエメンでは、死刑の対象とされています。

ピレイ国連人権高等弁務官は報告書で、加盟国に対し、差別的法律を撤廃し、包括的な反差別法を立法すること、ヘイトクライムについて調査を行い記録すること、性的指向やジェンダーアイデンティティにもとづく迫害を受けている者を強制送還しないこと、ホモフォビアに対する教育などを勧告しています。
報告書は来年3月の国連人権理事会において討議される予定です。

報告書の全文はこちらからダウンロードができます。
UN News Center (12/15) UN issues first report on human rights of gay and lesbian people

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