長崎2女性殺害:警察が検証結果発表
2012/03/062011年12月16日夜、長崎県西海市で、山下美都子さんと久江さんが、美都子さんの三女の元交際相手に殺害された事件で、千葉、長崎、三重の3県警は3月5日、事件対応に関する検証結果と再発防止策を公表しました。
三女は千葉県習志野市内に在住中に容疑者と交際するようになりましたが、容疑者による暴力が激化し、昨年10月頃には監禁状態におかれてしまいました。親族は三女を救出し、長崎県西海市の実家に連れ帰り、長崎県警西海署、千葉県警習志野署、容疑者の実家のある三重県警桑名署にたびたび相談していました。事件前の12月6日に習志野署に被害届を出そうとした三女と父親は「1週間待ってほしい」と告げられており、事件後、3県警の対応について説明を求めていました。
検証結果では、▽県警間の連携不備、▽「男女間トラブル」の軽視による危機意識の不足、▽警察署内の組織的対応の不足、▽県警本部主管課による指揮不在、▽ストーカー規制法の消極的運用という5つの問題点があったと指摘。具体的には、容疑者が実家から姿を消したことを千葉県警が長崎県警に伝えなかったことや、互いに他の県警が対応すべき事件と判断していたこと、被害内容を十分に確認せず、ストーカー規制法に基づく警告や摘発を行わなかった、等の問題を挙げました。
警察庁は、検証結果を受けて再発防止策をまとめ、男女間トラブルを原因とする暴力的な事案は署長が報告を受け、部署の枠を超えて積極的に指揮すること、複数の県警が関わる場合は、各県警本部の連絡担当官を中心に連携を強め、調整を主導する「主管警察本部」を決めることなどを、全国の警察署に通達しました。
【報道】
●時事通信(3/5)「連携など対応不備認める=3県警幹部、遺族に謝罪―検証結果公表・長崎2女性殺害」
●MSN産経(3/6)「ストーカー相談たらい回し、連携甘く 長崎2女性殺害事件」
●毎日(3/6)「長崎・西海の女性2人殺害:警察庁、防止策を通達 署長指揮で連携 3県警、遺族に謝罪」