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韓国:在韓米兵引き渡し要件を緩和

2012/06/01

在韓米兵による性暴力事件があいついだことを受けて、韓国・アメリカ両国は5月23日、米韓地位協定(SOFA)合同委員会を開き、米兵容疑者の身柄を韓国側に引き渡す際の条件を緩和することで合意しました。

SOFAでは、韓国の捜査当局が必要と判断した場合、アメリカ側は身柄引き渡し要請に対して「好意的配慮を払う」とされていますが、24時間以内に起訴か釈放することを韓国側に義務付ける条項が設けられていました。身柄引き渡しから24時間以内に起訴することは現実的に不可能なため、これまで韓国側が引き渡し要請を行ったことは1度もありませんでした。今回、この条項を削除することが合意されたことにより、韓国側は、起訴前に十分な捜査ができるようになります。

韓国では昨年、未成年の女性が米兵に性暴力を受ける事件が相次いで発生しており、SOFAによって制限されている韓国側の司法権の拡大を求める声が上がっていました。

同様に在日米軍による犯罪・事故の問題を抱える日本の場合も、日米地位協定により日本の捜査・裁判権は制限されています。1995年の沖縄における少女暴行事件のあと、米軍は殺人および強姦に限って、身柄引き渡し要請に「好意的配慮を払う」とされました。今回の韓米SOFAの見直しでは対象犯罪の制限は設けられていません。

被害者の権利視点からは、不平等な地位協定だけでなく、運用面にも多くの課題があります。韓国で昨年9月に発生した2件の性暴力事件は、いずれも韓国の裁判所で審理を受け、加害米兵は有罪判決を受けています。一方、在日米軍による性暴力犯罪の多くは、日本の司法当局により不起訴処分となっています。

【報道】
東京新聞(5/24)在韓米兵引き渡し緩和 日米協定より拡大
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