NHKが誤報を認め訂正
2012/10/25沖縄で起きた米兵による性暴力事件報道について、アジア女性資料センターおよびwamは10月23日、NHKに対して公開質問状を提出していましたが、この件について25日午前、NHKの報道局社会部および沖縄放送局放送部の方々と話し合いの場をもつことができました。
NHKの方からは、「誤報の指摘には感謝している。沖縄における米兵の性暴力被害を過小評価するつもりは決してなかったが、チェックの甘さにより、結果的に誤報を招いてしまった」との率直な反省の弁があり、その後の報道では、昨年末までで124件の検挙数があるという事実を報じている旨の説明をいただきました。
こちらからは、あらためて「7件」報道が誤りであったという訂正を出してほしい旨をお願いしたところ、さっそく以下の記事で訂正を出されたとのことです。
◆日米合同委 追加の防止策要請
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121025/t10013006821000.html
こちらの記事の最後に、次のように記載されています。
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沖縄では過去に未遂含め124件検挙
沖縄ではこれまでにもアメリカ軍の兵士などが女性に乱暴する事件が繰り返されてきました。
沖縄県警察本部によりますと、沖縄が日本に復帰した昭和47年から去年までの間に、アメリカ軍の兵士や軍属が女性に乱暴した事件は、未遂も含めて124件検挙されています。
平成7年には、アメリカ軍の兵士3人が女子小学生を車で連れ去り集団で乱暴する事件が起き、大規模な抗議集会が開かれるなどアメリカ軍や基地への反発が強まりました。
今回の事件では、女性団体のほか沖縄県議会や那覇市議会など各地の議会が抗議の書面を日米両政府に届けています。
さらに逮捕された兵士2人が派遣されていた嘉手納基地のある沖縄市が、今月31日に1500人規模の市民大会を予定するなど反発の動きが広がっています。
今月16日にアメリカ兵が女性に乱暴したとして逮捕された事件が7件と掲載しました。
これは沖縄県がまとめた社会的に大きな問題になった事件の件数で、アメリカ軍の兵士や軍属が女性に乱暴したとして検挙された事件は、去年までに未遂も含めて124件に上っています。
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誤報を率直に認めて迅速に訂正されたNHKの対応に感謝します。
なお、私たちの方からは性暴力を「女性に乱暴」と表現することについても再考をお願いしたことを申し添えておきます。
性暴力犯罪の多くが届け出られないことを考えれば、強かん事件として警察が検挙した件数は、氷山の一角にすぎません。米軍による性暴力被害の規模の甚大さを、マスコミだけでなく私たちも深く認識し、性暴力の根絶、基地の撤廃を求めて活動していきたいと思います。
※なお、先の公開質問状で、72年以降の米兵による強かん事件(未遂含む)の検挙数として「127件」という数字を挙げていましたが、この数字は沖縄タイムス社の報道にもとづくものです。
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-10-18_40335
関連情報
★『女たちの21世紀』No.71【特集】沖縄――女性の視点から植民地主義・軍事支配を問う
★キャンペーンページ「米軍の性暴力を終わりにしよう