婚外子差別裁判:世田谷区が職権により住民票作成
2013/01/25「非嫡出」との差別記載を拒んだために出生届が受理されず、戸籍が作成されなかったために住民票も作成されなかった子の住民票を作成するよう、菅原和之さんらが世田谷区と国を訴えていた裁判で、1月22日、世田谷区が住民票を作成し公布したことが明らかになりました。
菅原さんは、2005年に事実婚で生まれた娘の出生届に、「嫡出でない子」との差別的記載を拒否したために受理されず、戸籍が作成されなかったことを理由に、世田谷区は住民票を作成しませんでした。
菅原さんらは2006年に裁判を起こし、2007年の東京地裁判決は、世田谷区に住民票作成を命じましたが、最高裁で菅原さんらの敗訴が確定。第2次訴訟では、東京地裁が「子の利益を鑑み、職権調査による住民票の作成を検討することが望ましい」としていました。
自治体は戸籍がなくとも職権により住民票を作成することが可能ですが、世田谷区は戸籍法にもとづき、子の母親の本籍地の市長に通知し、同市長が職権で子の戸籍を作成。これを受けて世田谷区が職権により住民票を作成することになりました。
菅原さんらは、世田谷区の対応を評価しつつも、今後も、出生届の差別記載を定めた戸籍法の違憲性を問う訴訟は継続すると話しています。
【報道】
●日本経済新聞(1/23)出生届ない子に住民票作成 東京・世田谷区、職権で
●時事(1/22)出生届なく住民票作成=事実婚夫婦の子に-世田谷区
【参考】
●なくそう戸籍と婚外子差別・交流会