橋下氏「沖縄の女性が性の防波堤となってくれた」
2013/06/26慰霊の日に沖縄を訪れた日本維新の会の橋下代表が6月23日、「沖縄の女性が防波堤となり進駐軍のレイプを食い止めてくれていた」と発言していたことがわかりました。
橋下氏は浦添市で開催された沖縄の地域政党「そうぞう」主催の講演会で次のように述べていました。
「(当時内務省は)特殊慰安施設協会ですか、これを作って沖縄にも置いた。沖縄県民の女性が、その多くの女性や子供たちを守るために、まあある意味、防波堤みたいな形になってそこで食い止めてくれる。そういうことも歴史的な事実としてあったわけです。それを米軍が利用していたことも事実。そういうところを ちゃんと指摘しない、言われたら言われっぱなしの日本の政治家が、日米地位協定の交渉なんかできますかね」。
橋下氏は先月、日本軍「慰安婦」問題に関連して、「慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」「沖縄の海兵隊の性的エネルギーを解消するために、もっと風俗 業を活用するよう進言した」と発言して批判を浴び、後に「風俗活用」発言だけは撤回しました。
しかし今回の発言は、一部の女性が「性の防波堤」にならなければ兵士によるレイプは防ぐことはできないという、先月の発言とまったく同様の発想にもとづいています。しかも、米軍の責任は追及する一方で、特殊慰安施設協会(RAA)を設置して米軍のために女性を集めた日本政府の責任についてはまったく問題視していないうえ、あたかも徴募に応じた女性たちが、生活困窮などの事情は関係なく、自ら「性の防波堤」となることを買って出たかのように述べています。 どう釈明しようと、女性の人権に関する橋下氏の認識に根本的な問題があることを示す発言と言えます。
こうした歴史的事実に関する誤りは置くとしても、一部の女性が「性の防波堤」として利用されることを正当化する橋下氏の発言の根本的な問題は変わりません。
【報道】
●琉球朝日放送(6/24)橋下代表 「他国の歴史の指摘も必要」