ニュース

アイルランド:世界で初めて国民投票により同性婚が合法化

2015/05/25

5月23日、アイルランドで同性婚の合法化を問う国民投票が実施された。結果は反対38%に対し賛成62%となり、正式に同性婚を認める憲法が改正されることになる。投票率は60.5%に上り、世界で初となった国民投票による同性婚合法化への関心は高かったといえるだろう。

結果が確定した23日の午後、大勢の人々が集まったダブリン城の広場は喜びに沸いた。

多くの政治家もこの結果を歓迎しており、今年、自身もセクシュアルマイノリティであることを公表した保健省のレオ・バラッカー(Leo Varadkar)大臣は、自由と平等の視点から他国にも希望を与えるものだと話している。

アイルランドでは1993年まで同性愛が違法とされていた。カトリック教会が政治的、社会的に大きな影響力を持っていることが関係しているとされている。また1996年までは離婚も違法とされていたほか、現在は妊娠継続により母親の命が危険にさらされているか、女性の自殺願望がみられる場合以外、妊娠中絶が法律で禁止されている。2014年にはレイプで妊娠した女性が中絶処置を求めたが認められず、25週の妊娠期間を経て帝王切開により出産させられるという事件が起きた。この事件を受けて8月には、妊娠中絶の権利を求める2000人規模のデモが女性団体らによって行われている。

【報道】
(5/24)「アイルランドで同性婚合法化、国民投票では世界初」 AFPBB News (5/24) “Ireland becomes first country to approve same-sex marriage by popular vote” THE IRISH TIMES 
【参考】
アイルランド:人工妊娠中絶に関する新法に対する抗議デモ (アジア女性資料センター)

DOCUMENTS