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さいたま市議会 「政治活動」理由に市民活動センターを直営にする条例可決

2015/10/22

2015年10月16日、さいたま市議会本会議において「さいたま市市民活動サポートセンター条例の一部を改正する条例」が自民・公明の賛成多数で可決されました。この条例は、市民活動の拠点の一つとなっている埼玉・浦和の「さいたま市市民活動サポートセンター」の運営を「指定管理者に行わせるための管理の基準その他の必要な事項を定めるまでの間、適用しない」、つまり、市の直営に変更するものです。

現在の同センターの指定管理者である「さいたまNPOセンター」は7月、さいたま市より次期の運営を担う指定管理者の公募が始まったため申請書を提出。10月4日には公開プレゼンテーションを行っていました。

しかしプレゼンテーション翌日の10月5日、自民党・青羽健仁市議は、さいたま市議会で、同センターの利用登録団体約1700団体のうちの14団体が「政治活動」を行っているとする演説を行いました。埼玉県議会へ政策に関する請願書の提出や、デモの主催、自公政権批判など、通常の市民活動としてなんら問題のない団体を列挙し問題視したのです。

10月9日には公明党議員の賛同を得て、「さいたま市市民活動サポートセンターの適切な管理運営の確保を求める決議」を承認。10月15日に今回の改正案が提出され、翌16日に可決されました。

2003年の地方自治法改正から始まった公共施設の民営化ですが、同センターは指定管理者である「さいたまNPOセンター」の運営のもと、これまで「協働管理運営」型サポートセンターとして利用者からは高い評価を得ていました。

報道によると、青羽市議は「政治活動を規制する気はないが、公共施設を優先的に利用する場合は一定の公平性があるべきだ」と主張しており、反対した民主系会派・土井裕之市議は「市が基準を作っていくつかの団体に施設を利用させない意図があるのではないか。憲法二一条などで保障された自由な活動の制限につながりかねない」と話しているそうです。

今回の条例可決は、今後のさいたま市における市民活動への規制が大変懸念されるものとなっています。さまざまの市民団体が、この条例に反対や懸念する意見書を発表しています。直営化に反対するオンライン署名もはじまりました。また専門家からは政治的な活動であるから施設の使用を許可しないとすれば憲法違反になるという指摘も出ており、問題がある条例であることは疑いの余地がありません。

【参考】
●特定非営利活動法人さいたまNPOセンターのブログ「さんぽブログ(sa-npoWEBLOG)」 ●さいたま市市民活動サポートセンターの直営化条例問題のまとめ
【アクション】
●オンライン署名:「さいたま市市民活動サポートセンターを直営化する条例に強く抗議し、市と管理者と市民が協力して「開かれた施設」として丁寧に運営してきた形態に戻すことを求めます」
【報道】
●(10/17)東京新聞:「さいたま市議会 市民活動の施設直営に 条例案可決「集会制限の恐れ」」

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