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関係省庁大臣宛に沖縄における米兵による性暴力への抗議声明を送付しました

2016/03/28

2016年3月28日付けで関係省庁に沖縄における米兵による性暴力への抗議声明を送付しました。

(以下、声明)
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2016年3月28日

内閣総理大臣 安倍晋三 様
外務大臣 岸田文雄 様
防衛大臣 中谷 元 様

沖縄における米兵による性暴力への抗議声明

2016年3月13日、沖縄県那覇市でキャンプ・シュワブ基地所属の米海軍一等水兵が女性に対する準強姦容疑で警察に逮捕されました。私たちは、何度も繰り返される米兵による性暴力に対し、怒りで胸が締め付けられています。
2012年8月には海兵隊伍長が強制わいせつ致傷事件を起こし、同年10月にも米兵2人が集団強姦致傷容疑で逮捕されたばかりです。2008年2月には米兵によって14歳の少女と、フィリピン人女性が被害者となった性暴力事件も起きています。いったいいつになれば米軍基地が存在する地域における性暴力がなくなるのでしょうか。
事件が起きるたびに日米両政府は「綱紀粛正」「再発防止」を繰り返し、具体的な対策を示してきませんでした。それは日本政府が重大な人権侵害の根絶よりも、アメリカとの軍事関係の維持を優先しているからであることは疑いの余地もありません。さらに現在では、多くの人々の反対の声を無視して強行した安全保障関連法制をもとに日米間の軍事同盟を強化するような動きまであります。
過去5年間を振り返るだけでも、オスプレイの強行配備、「犯す前に、これから犯すと言いますか?」という田中聡沖縄防衛局長(当時)の発言、海底ボーリング調査に始まる辺野古の埋立て作業着工など、日本社会の沖縄に対する差別的構造によって生み出される事件と暴挙が後を絶ちません。戦後71年となる今年、未だに沖縄は軍隊の暴力に曝され、人権が踏みにじられています。
日米地位協定は日本の司法権が制限されるため、米兵による性暴力事件の多くは日本の法廷で裁かれていません。そのため被害者への補償や救済処置はほとんどなされず、加害者は必要な処罰を免れてきました。そして、日本の社会的風潮、女性に差別的な法制度がこの制度を維持しています。
2015年に閣議決定された第4次男女共同参画基本計画では第7分野で「女性に対するあらゆる暴力の根絶」を掲げ、「女性に対する暴力は、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害である」と定義しています。
私たちはこれ以上、米兵による性暴力を容認できません。今回の事件の十分な調査、プライバシーが守られた形での被害者に対する謝罪・補償・回復支援の提供、日米地位協定の見直すと共に、暴力の根源であるすべての軍事基地の撤退を求めます。

特定非営利活動法人アジア女性資料センター
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