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【沖縄】女性遺体が発見 元海兵隊兵士の容疑者逮捕

2016/05/27

 2016年4月28日午後9時ごろ、沖縄県うるま市の女性が、交際相手へのLINEを最後に行方不明になっていた事件で、5月16日、沖縄県警は元海兵隊兵士の米軍関係者から事情聴取を行い、同月19日、供述に基づいて女性の遺体を発見したため同米軍関係者を死体遺棄容疑で逮捕した。容疑者は基地の外に居住し、基地内で働いているという。
 在日米軍基地のうち、沖縄が占める割合は74.46%である。県警で記録されている米軍構成員による県内での凶悪犯罪は日本復帰後から2015年末までに574件発生、741人が摘発されている。大きな問題とされているのが日米地位協定(SOFA)だ。協定では、公務中の事件または公務外でも米軍が身柄を確保した場合、日本側で裁くことが難しくなっている。「米軍人・軍属が犯罪を起こしても守られる」という特権意識は、多くの犯罪の1つの要因ともされている。今回の事件は、容疑者の公務外であり、今のところ身柄が日本側にあるが、これからの動向には注意が必要だ。
 事件後、岸田文雄外務大臣は、キャロライン・ケネディ駐日大使を呼び、「綱紀粛正と再発防止の徹底」を求めた。中谷元防衛大臣はジョン・ドーラン在日米軍司令官に対し抗議をしたが、司令官は「容疑者は現役の軍人ではなく、米軍に雇用されてもいない」などと述べている。日本政府関係者からは、G7伊勢志摩サミットなどを控えて「タイミング的にまずい」と、米軍基地による人権侵害よりも目下の外交のみを優先させるような発言があったとも報道されている。
 この事件に対し、地元沖縄そして各地の女性団体は抗議の声をあげている。5月22日には、キャンプ瑞慶覧ゲート前で抗議の緊急集会が行われ「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴与さんら1200人が集まった。集会では追悼の意を表明するため、沖縄で亡くなった人の魂を表す黒い蝶の絵が印刷されたプラカードと黒いリボンが配布され、司令部の前で、沈黙による抗議が行われた。25日には容疑者が働いていた米軍嘉手納基地ゲート前に約4千人が集まり、被害者を悼み、米軍基地負担の軽減を訴えた。同日、東京・首相官邸前でも約400人が集まり事件への悲しみと怒り、そして米軍基地の撤去を訴えたほか、京都でも緊急行動が行われた。翌26日には参議院議員会館で「女たちは怒っている!沖縄女性殺害に関する緊急集会」が開催され、糸数慶子議員らが地位協定改定の必要性を強く訴えた。同日、沖縄県議会(喜納昌春議長)では、県政与党と中立会派が共同で提出した米軍属女性遺棄事件に対する抗議決議と意見書を全会一致で可決。遺族への謝罪と完全な補償などに加え、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設断念のほか、在沖米海兵隊の撤退も求めている。

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