アイスランド:女性たちが賃金格差是正を求めてストライキ
2016/10/26 2016年10月24日、世界経済フォーラムは、教育、保健、経済、政治の4つの分野における男女間格差を指数化して順位をつけた「男女格差レポート2016」を発表した。2016年、最も格差が少ない総合第1位はアイスランド(日本111位)だった。
ランキングが発表された同日、このアイスランドで、女性たちが一斉に職場から立ち去るというアクションが行われた。いまだに残る男女間賃金格差の是正を求めるストライキだ。労働組合や女性団体が呼びかけ、各地で同様のアクションが行われたという。
女性たちが職場を立ち去ったのは、午後2:38。これは男性の賃金と比べると、実質的に女性たちはこの時間以降、無償で労働していることになるからだ。午後3:15からは首都のレイキャビクで大規模な集会もおこなわれ、何千人もの人々が参加した。
世界経済フォーラムによると、ランキング対象の144か国のうち男女間の賃金格差がない国は存在しない。アイスランドの男女の賃金格差は14%(日本27%)だ。
アイスランドの女性たちは過去にも同様のアクションを行っており、2005年は午後2:08、2010年は午後2:25に職場を立ち去り、ストライキを開始した。徐々に格差は縮まっているものの、完全な平等は実現されていない。
初めて男女間の賃金格差に抗議するストライキが決行されたのは1975年10月24日。”Women´s Day Off” (女の休日)として知られるこの日、男女差別に抗議するためにアイスランドの女性の90%以上がストライキに参加し、自らの重要性と権利を訴えた。
アイスランドにおける男女間格差是正の取り組みは、このような女性たちの勇気あるアクションによって推進されてきた。144か国中111位となった日本では何ができるだろうか。
【報道】
●Iceland Review (10/24) “Women in Iceland to Leave Work at 2:38 PM”
●Ice News (10/24) “Women´s day off! Women assemble at Austurvollur today”