牛久市の入国管理センターでベトナム出身の男性が死亡
2017/03/292017年3月25日、茨城県牛久市にある法務省入国管理局の東日本入国管理センターでベトナム出身の男性が死亡した。報道によると同日午前1時頃、同センター職員が意識のない男性を発見し通報したが、午前2時20分頃に死亡が確認されたという。
同センターでは2014年3月にも、イラン出身の男性とカメルーン出身の男性の2人が相次いで死亡した。司法解剖の結果、イラン出身の男性については食べ物をのどにつまらせ、低酸素性脳症になったとみられている。カメルーン出身の男性については「病名はわからない」とするだけだった。報道によるとカメルーン出身の男性は死亡する数日前から体調不良を訴えていたという。2人も相次いで死亡したことについて、東京弁護士会が検証と再発防止策を求め会長声明を出している。
2014年9月には「私たちは人間です。動物じゃない」として、難民申請の拒否、長期間にわたる収容、刑務所のような収容実態、不調を訴えても診察までに1か月以上かかること、不調の際に提供される薬が睡眠薬ばかりであることに抗議し改善を求める要望文が、同センターに収容されている31人から出されていた。
とくに常勤医師がいないなど入管施設の医療体制の問題は以前から指摘されており、医師や弁護士団体からは改善を求める声明が出されている。
このようななか、同センターで再び死者が出たのだ。ベトナム出身の男性の死因については司法解剖をして調査することになる。「人権尊重」を掲げる法務省は、このようなことが二度と起こらないよう、これまでの死亡に関する徹底した真相究明と入国管理局の体制見直しが急務となる。