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セミナー報告:総会記念イベント「周縁化にあらがう――在日朝鮮人女性と複合差別」金優綺さん

2017/07/10

 2017年5月13日、アジア女性資料センター2017年度総会記念イベントとして「単一民族国家神話を乗り越えて――在日コリアン女性から考える新しいつながり方」を開催しました。在日コリアン女性の経験を共有することで、日本の排外的政策の根本と向き合い、ますます多様化する女性たちの連帯によって力強いフェミニズム運動をつくり出すための契機となったと思います。登壇者のお一人だった金優綺さんのお話をまとめました。河庚希さんのお話はこちらから読めます。

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周縁化にあらがう――在日朝鮮人女性と複合差別

お話:金優綺さん

UG1

 アンニョンハシムニカ? こんにちは。まず自己紹介をさせていただきたいと思います。私は小学校から大学まで朝鮮学校を卒業しました。大学卒業後はお茶の水女子大学大学院の博士前期課程を修了して、2010年から在日本朝鮮人人権協会(以下、人権協会)という団体で専従スタッフをしています。非常勤講師として朝鮮大学校の外国語学部でジェンダー論なども担当しています。
 後ほどお話もしますが、人権協会では、活動の一環として国連の各人権条約機関に対する働きかけをしています。3年前、国連の人種差別撤廃委員会からヘイトスピーチ問題に対処するよう日本政府に求める勧告が出たことをニュースなどでご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、実は朝鮮学校に対する差別をやめるように求める勧告や、日本軍性奴隷問題の真の解決を求める勧告も出されています。私は、これら勧告のもととなる審査がスイス・ジュネーブで行われた際、朝鮮学校差別問題や日本軍性奴隷問題について委員たちへのロビイングを行いました。ヘイトスピーチ問題が特集のテーマになったアジア女性資料センターの『女たちの21世紀』78号では、日本政府や政治家が主導する差別煽動の問題としての朝鮮学校差別問題や日本軍性奴隷問題について寄稿しています。
 大学院では、三井・三菱・住友をはじめとした企業が、1930年代末から日本敗戦まで、北海道の炭鉱地帯において「慰安所」を設置して、朝鮮人女性を「慰安婦」にさせていた問題について研究しました。この問題に関しては『大原社会問題研究所雑誌』687号に論文が掲載されています。
 私がスタッフをしている人権協会は、在日朝鮮人の権利擁護と生活向上を目的として1994年から活動しています。普段は、在日朝鮮人や外国人を対象として生活や法律の相談を受けて解決のためのサポートをしています。また、様々な分野の部会を設置して研究活動にも取り組んでいますが、そのうちの一つである「性差別撤廃部会」の担当をしています。私が担当した当初は学習会を開催しても3~4人しか集まらないということもありましたが、今ではシンポジウムに150人も来てくれるまでになりました。今年、性差別撤廃部会のウェブサイトをつくりました。「だれもがいきいきと生きられる社会のために」という名称で、略称は「だれいき」(http://dareiki.org)です。ウェブサイトをつくるにあたって改めて性差別撤廃部会の活動方針を「民族、性、階級などにもとづくあらゆる差別と暴力を認識し、行動することによってつながり、だれもがいきいきと生きられる社会の実現を目指す」こととしました。性差別撤廃部会の活動の3つの柱は「まなぶ」「うごく」「つながる」です。これまでジェンダーに関する問題についての学習会・講座や上映会、日本軍性奴隷問題の克服を求めるスタンディング・デモ、20〜30代を中心とした在日朝鮮人のジェンダー意識に関するアンケート調査、在日朝鮮人女性たちや在日朝鮮人セクシュアル・マイノリティたちの交流会などを行ってきました。

朝鮮人であり女性であること――複合差別の経験

 本日は「民族と性」にポイントを当てて、在日朝鮮人女性が経験する生きづらさについてお話したいと思います。
 在日朝鮮人女性は、日本社会における在日朝鮮人に対する民族差別に加えて、女性差別にも遭遇します。その結果、在日朝鮮人男性や日本人女性とは異なる形の差別――「複合差別」を経験することになり、より大きな不利益を受けてしまいます。しかしながら、その事実が「同じ朝鮮人」や「同じ女性」という集団のなかでは軽視され、看過されやすい傾向があります。そのため、複合差別状況にある女性たちの意見やニーズは、その集団内や社会全体に反映されにくく、在日朝鮮人女性たちは、さまざまな差別が絡み合い相互作用するという複雑な抑圧構造のなかで生きることを余儀なくされてしまいます。
 たとえば、在日朝鮮人に対するヘイトスピーチやヘイトクライム。これは最近になって新しく起こっているものではありませんが、近年行われているヘイトスピーチデモや差別街宣についてお話しますと、私は初めて直接的に朝鮮人女性に対するヘイトスピーチを聞いたときのことを忘れることができません。今スライドに写している文言は、本当は文字にもしたくありませんし、どうしても声に出して読むことはできません。言った途端に、どうしても私が人間以下の存在になったような気がするのです。
 みなさんは大阪にいらっしゃるライターの李信恵(リ・シネ)さんの裁判(注1)をご存じでしょうか。かのじょは、2014年8月に「在日特権を許さない市民の会」とその元会長である高田誠氏、また「保守速報」というウェブサイトの管理人を提訴しました。一審では勝訴しましたが、今でもかのじょに対するネット上の攻撃は止んでいません。「キムチくさいブスは消えろ」とか「ブスで性格悪くて朝鮮人って」などという暴言による攻撃です。裁判のなかで高田誠氏は、どうして在日朝鮮人のなかでかのじょを集中攻撃の的にしたのかと問われた際、その理由を、女性だからであると認めたそうです。私はこのことを知ったとき、李信恵さんが受けた被害はまさに複合差別の極みであると思いました。一審では李信恵さんが受けた被害が人種差別にあたると認められましたが、複合差別性は認められず、現在も係争中です(注2)。
 また、川崎にいらっしゃる崔江以子(チェ・カンイジャ)さんは、川崎にある「ふれあい館」の職員で、参議院の法務委員会で当事者証言もされるなどして、2016年の「ヘイトスピーチ解消法」成立のために尽力された方です。かのじょに対しても、インターネット上では数十万単位のヘイト書き込みがなされています。日本ではネット上でヘイト書き込みがあっても野放しにされ、被害者が自ら、それらの書き込みを削除させるために動かなければなりません。かのじょへのヘイト書き込みに関しても、わざわざかのじょが法務局に出向いて人権救済の申立てを行い、法務局がプロバイダに当該書き込みを削除するよう求め、ようやく2件だけ削除されるといった状況です。私は、李信恵さんと同様に、江以子さんが朝鮮人であり、女性であるからこそ、執拗に攻撃をされるのではないかと思っています。

UG2教育・雇用における在日朝鮮人女性の状況――実態を把握しようとしない日本政府

 教育に関してお話しますと、これはその人が通ったのが日本の学校か朝鮮学校かによって経験はだいぶ異なると思うのですが、たとえば日本の学校に通った在日朝鮮人の友人は、転校先の小学校で教員から突然、「お隣の国から来た子です」とクラスで紹介されました。当時、自分が外国人だと思っていなかったかのじょは、大きなショックを受けたといいます。そして、かのじょはその後さまざまな葛藤を経て高校時代に勇気を出して朝鮮名の本名を名乗ったのですが、それがきっかけで差別やいじめを受け、たとえばすれ違いざまにクラスの男子から「気持ち悪い」と言われたり、「スパイがいる。スパイを排除しようぜ」と言われたそうです。
 私は日本の学校ではなく朝鮮学校に通ったのですが、中学時代は、数少ない朝鮮学校に通うため片道40分ほどかけて自転車で通っていました。ある日、信号待ちをしていたときに、どこからか強烈な視線を感じたので周囲を見ると、日本人と思われる50〜60代ぐらいの女性にものすごい目で睨まれていたということがありました。びっくりして「私、なにか悪いことをしたのかな」「変なところがあるのかな」と思いながら、睨まれている理由を考えているうちに信号が青に変わり、そのまま学校に行きました。そのとき、私は朝鮮学校の民族制服であるチマチョゴリ制服を着ていました。色々と悩んだ結果、あの敵対的な視線は、チマチョゴリを着ている私に、つまり朝鮮学校に通う在日朝鮮人である私に注がれていたんだ、と気づくことになりました。この出来事をきっかけに私は、「朝鮮人であるってどういうことなんだろう」と、自分の在日朝鮮人としてのアイデンティティについて考えるようになったのです。
 また私の別の友人は、電車で東京都内の朝鮮学校に通っていましたが、ほぼ毎日、ひどい痴漢に遭っていたそうです。長いチマ(スカート)をまくし上げられないようにいつも一人きりで抵抗して、時にはあきらめざるを得ず、毎日電車のなかで本当にしんどい思いをしていたと話していました。痴漢という性暴力に遭うのは、自分が朝鮮学校の生徒だったからなのか、あるいは女性だったからなのかと、神妙な面持ちで話してくれました。
 続けて雇用に関してお話しますと、2010年の国勢調査をもとに人権協会で分析した結果を見てみると、在日朝鮮人女性のうち朝鮮・韓国籍の女性の完全失業率は9.13%で、全体の女性平均値5.03%よりも4.1%ポイント高くなっています。外国人全体では7.7%だったので、それよりも1.4%ポイント高いのですね。非正規雇用比率に関しては、女性全体では54.56%だったのですが、朝鮮・韓国籍女性は62.33%で、女性全体の平均値よりも7.7%ポイントも高いということがわかります。さらには朝鮮・韓国籍男性より35%ポイント高く、男性全体の平均値と比べれば実に45%ポイントもの差があります。こうしたデータからも、在日朝鮮人女性が経験する複合差別の状況がわかると思います。複合差別を目に見えるようにデータ化するのはとても大変です。2016年に国連の女性差別撤廃委員会からも日本政府は指摘されているのですが、マイノリティ女性がおかれている状況については、私たち自身が調べないと、日本政府はまったく何のデータも提出しないのです。たとえば私の在留資格は「特別永住」ですが、日本政府は特別永住者の女性の数についても、統計すら取っていないという状況です。

同化か排除か――常に二者択一を迫る日本社会

 先ほども少しお話しましたが、1980年代末から朝鮮学校の子どもたち、特にチマチョゴリ制服を身に着けて通学する女子生徒は特に大変な経験をしてきました。日本と朝鮮半島間の緊張が高まるたびに、見知らぬ人に電車内でスカートをカッターナイフで切られたり、小学生もランドセルを切られたり傘で突かれたりツバを吐きかけられるなど、信じられないようなヘイトクライムやヘイトスピーチを受けてきたのです。こうした状況を受けて、今では朝鮮学校の女子生徒たちは日本の学校と変わらない制服を着て通学せざるを得ず、学校の中だけでチマチョゴリ制服を着るという状況になっています。
 チマチョゴリ制服は女子生徒だけが着ますので、なぜ女性だけが目に見える民族性を背負わされるのかという論点があることも認識していますが、なぜ女子生徒たちがチマチョゴリ制服を着るのか、着たいと思うのか、という文脈を考える必要があると思います。この日本社会で在日朝鮮人は、差別されないように息を潜めながら日本人に同化するのか、あるいは朝鮮人として生きる道を選んで様々な面で差別・排除されるのかという、二者択一を常に迫られます。そのような中で、それでも民族学校に通い、朝鮮人としての肯定的なアイデンティティを育み、朝鮮人としての民族的アイデンティティを保つ手段・表現として民族制服を着たいと思う気持ちは尊重されてしかるべきだと思いますし、着たくても着られない、着て通学するという選択肢すら与えられていないという日本社会の状況が、まずもって重大な問題だと思います。まずは、この日本社会で安心してチマチョゴリを着て外を歩ける、そういう状況が保障されるべきだと思います。

女性差別撤廃委員会による日本審査――マイノリティ女性を取り巻く被差別状況の改善を勧告UG3

 人権協会は以前からアイヌ、日本の被差別部落などの民族・人種的なマイノリティ女性たちと共に活動をしていまして、2016年には、国連・女性差別撤廃委員会による日本政府報告書審査のために、合同でマイノリティ女性が置かれている被差別状況に関するレポートを提出しました。
 この2016年審査では、これまでになくマイノリティ女性が置かれている被差別状況についての委員たちによる質問と追及がありました。お手元の資料をご覧いただきたいのですが、たとえばグベデマ委員は、審査のなかで「特にコリアンなどマイノリティ集団の女性などに対する、差別や憎しみを助長する言葉による暴力、性差別的スピーチ及びヘイトスピーチに関して懸念している」と発言しています。ジャハーン委員は「特に、アイヌ、沖縄、部落そして在日コリアンなど民族的マイノリティ集団に属する少女と女性の教育強化のため、より貧しい女性の奨学金や助成金の提供など、具体的な措置について詳しく述べてほしい」と要求しています。
 雇用の問題に関しては、ハイダー委員が「教育分野にプラスして、日本の雇用分野におけるマイノリティ女性に関する持続的な複合差別について強調したい。先住民族のアイヌ、部落、在日コリアン、沖縄及びその他のマイノリティ女性たちと、さらに労働市場における障害女性、移住女性労働者、家事労働者、そして貧困下のシングルマザーの地位に関しては、別の情報源から重大な賃金格差に加え、失業率や不安定な仕事の性質の懸念があることを委員会は聞いている。日本は包括的な差別禁止法を制定する意思はあるか」と質問しました。「包括的差別禁止法の文脈において、教育と雇用、すべての分野で複合差別に取り組んでほしい」という意見も表明しています。
 教育に関しては、ジャハーン委員が「朝鮮学校への補助金は再開されているか」という質問をしています。これは、この審査に先立つ2014年、国連の人種差別撤廃委員会が日本政府に対して、地方自治体が次々に打ち切っている朝鮮学校への補助金について、日本政府が地方自治体に補助金の再開や維持を促すよう勧告しているため、その勧告を履行しているのかという意味でなされた質問です。
 ガブール委員は、統計の問題について「マイノリティ集団や先住民族といった、異なる集団の女性に関する統計が不足している。そのような統計をとらないという可能性について私は理解できない。特に日本にとってもそのような統計はアイヌ女性、部落女性、在日コリアン女性といった女性たちのエンパワメントに取り組むためのプログラムや人びとのために、現在も将来も大変役に立つだろう」と指摘しました。
 この審査の結果、女性差別撤廃委員会は2016年3月、日本政府に対して、マイノリティ女性に対する複合差別を禁止する包括的な差別禁止法の制定や、マイノリティ女性に対する人種的優位性や憎悪を主張する性差別的発言や宣伝を禁止・処罰すること、在日朝鮮人女性及び少女を対象とした、教育における人種主義的感情の表現や、いじめを含む女性と少女に対するすべての形態の暴力を防止・処罰・根絶する措置を強化することなどを勧告しました。

さいごに――「戦後日本=平和国家」観を問う

 先月(2017年4月)、千葉市長が朝鮮学校の地域交流事業に支給する予定だった補助金をやはり支給しないという決定をしたという出来事がありました。その地域交流事業というのは、千葉市で行われた朝鮮学校生徒たちによる美術作品の展示会や千葉の朝鮮学校の芸術発表会だったのですが、展示会で展示された1000点以上ある美術作品のうち1点の作品に千葉市は目をつけ、それが日本軍性奴隷問題を象徴した絵であり、その解説文の中に、2015年12月28日に行われた日韓「合意」に対して憤る思いや「被害者の方々の生きた証と尊厳を取り戻すことは私たちの責任である」と書かれていたことをもって、「地域交流に資するとはいえない」として、たった50万円の補助金を打ち切ったのです。
 この千葉市の問題には、日本軍性奴隷問題の克服をはじめとした、日本が朝鮮を侵略・植民地支配した責任や戦争責任を果たすことを日本政府が積極的に怠り、そればかりか「強制連行を示す資料や証拠はなかった」といいながら自国の加害の歴史を否定し続け、あげくの果てには被害者の口を封じ込めて永遠に加害の歴史を葬り去ろうとしている「戦後日本」、また、在日朝鮮人や、在日朝鮮人としてのアイデンティティを肯定的に育む場としての朝鮮学校を一貫して危険視し、弾圧してきた「戦後日本」の様相が凝縮して現れていると思います。「戦後日本」は「平和」だったなどとよくいわれますが、朝鮮半島や在日朝鮮人に強いられた差別と暴力の歴史を考えれば、到底「平和」などとはいえません。
 しかし、こうしたことに対して声を上げる日本人はどれだけいるのでしょうか。私は、日本において、日本軍性奴隷問題や排外的な在日朝鮮人政策の克服がされない限り、日本における性差別や人種差別、階級差別は克服されないのではないかと思っています。たとえば日本の排外的な外国人政策は、その歴史をひもとけばそもそもは在日朝鮮人政策です。その根本がわからなければ、現在の在日外国人に対する差別的、管理的な政策の本質はなかなか見えてこないのではないかと思います。外国人を「良い外国人」と「悪い外国人」に選別し、自国の利益にならない外国人は徹底的に管理・弾圧し追い出す、その政策の根本は1947年の「外国人登録令」をはじめとする在日朝鮮人への差別的な管理政策にあるのです。
 本日は在日朝鮮人女性をとりまく複合差別についてお話してきましたが、日本政府は、マイノリティ女性が置かれている状況に関していまだに何らの実態調査も行っていません。先ほど言及した女性差別撤廃委員会による勧告の実現を求めて日本政府の関係省庁と交渉しても、まさに「のれんに腕押し」状態です。
 日本政府は、たとえば朝鮮学校を「高校無償化」制度の対象から政治的理由をもって除外するなど民族差別的な政策をいまだに続けていますし(注3)、人種差別を禁止する国内法すらありません。性差別に関しても、女性差別を禁止する法律はいまだありません。そのような状況で複合差別の問題に日本政府がただちに取り組むとは到底思えないというのが正直なところですが、わずかながらでも希望を持ち続けて、他のマイノリティ女性や日本人の女性たちとも手を取り合って、地道にがんばっていきたいと思っています。
 ありがとうございました。

キム・ウギさん/在日本朝鮮人人権協会事務局員、朝鮮大学校非常勤講師

(注1)2014年8月18日、在日朝鮮人女性の李信恵さんが、ヘイトスピーチによって名誉を傷つけられたとして、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)と同会会長(当時)、2ちゃんねるまとめサイト「保守速報」の運営者を相手取り、大阪地方裁判所に損害賠償請求を提起した。
(注2)2017年6月19日、「在特会」と高田誠元会長に対する裁判の高裁判決が出され、人種差別を認めた1審から踏み込み「人種差別と女性差別との複合差別に当たる」ことが認定された。
(注3)2010年、日本政府は公立高校の授業料を無償化し、私立高校には就学支援金を支給する制度(現在の就学支援金制度)を導入したが、各種学校認可を受けた外国人学校のうち朝鮮高校のみ、拉致問題などの外交的・政治的な理由をもって制度の適用対象とすることを先送りしていた。2013年2月20日、安倍政権は文科省令の「改正」をもって全国の朝鮮高校10校に通う生徒たちを制度の適用対象から完全に除外した。現在、朝鮮学園や朝鮮高校の卒業生たちが原告となり、日本政府を相手に訴訟中である。

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