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ネパール:生理中の女性を隔離する「チャウパディ」の禁止法が成立

2017/08/29

2017年8月9日、ネパール議会は、生理中の女性を隔離する「チャウパディ(Chhaupadi)」と呼ばれる慣習を禁止する新たな法律を可決した。今後、違反者には刑罰が課されることになる。
チャウパディは、生理中の女性を「汚れている」として家から追い出す慣習で、ネパールの一部地域で行われてきた。生理中に家の敷地内に立ち入ることが許されない女性たちは「チャウ・ゴット」と呼ばれる屋外の小屋で過ごすことになる。その間は、男性、食べ物、仏像、牛(ヒンドゥー教において神聖とされる)などに触れることも禁じられてしまう。チャウパディは、出産した直後の女性も対象となっており、新生児に適切なケアを与えられないだけではなく、出産後の不安定な健康状態を危険にさらしているとして、問題視されてきた。
2017年7月には、チャウ・ゴットで眠っていた10代の少女が毒蛇に噛まれて死亡する事件が起きた。2016年にも、暖をとろうとしてチャウ・ゴットの中で炎をたいた女性2人が、煙によって窒息死している。
2005年、ネパール最高裁では、この慣習を禁じる判決が出されていたが、ガイドラインが設けられるのみにとどまっていた。
今回の法律では、女性にチャウパディを強制した者に対して、禁錮3か月または罰金3000ルピー(約3200円)が課されることが定められている。2018年夏の施行を目指し、準備される予定だ。
UN Womenネパール支部のヴァレリー・ジュリアンド(Valerie Julliand)さんは、チャウパディによるこれまでの女性たちの死は不必要な死であり、避けられるべき悲劇的なものだったことを強調した。「(道徳的、宗教的、文化的など)どのような理由によっても正当化され得ない」と述べ、身体的な危険性がない場合でも、生理中の女性を隔離することは、女性は生まれながらに「不潔」で「不純」な存在として心理的な孤立を強制していると指摘する。
近年、極寒の環境に女性を置くような劣悪なケースは減少傾向にある。しかし、毎月の生理のたびに離隔されれば、教育や仕事など日常生活から排除されることになってしまう。ジュリアンドさんは「触れてはいけない存在として、食事を許されず、別の場所で眠ることを強制されるのは、女性たちのエンパワメントにとって大きな障害となる」と話した。
今回、ネパール議会は全会一致でチャウパディ禁止の法案を可決した。この法律による効果・影響については引き続き注目が必要だ。

【報道】
Al Jazeela, “Nepal criminalises isolation of menstruating women”
UN Women Asia and the Pacific,” Ending chhaupadi system: Comprehensive approach required”

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