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【報告】フィールドワークツアー第1回「金富子さんと旅する在日韓人歴史資料館―植民地朝鮮から日本へ移動した朝鮮人女性たち」

2015/09/29

2015年9月26日に、フィールドワークツアー「”戦後70年”をきっかけにたどる女性たちの生きた軌跡」の第1回を開催しました。

このフィールドワークは博物館や資料館をめぐりながら、「戦後」の歴史を生き抜き、私たちの社会を築き上げてきた女性たちの軌跡をたどるツアーです。

国家や社会によって期待された「女性像」がある中で、摩擦や葛藤を抱えながらも「戦後」を懸命に生きてきた女性たちに出会う旅の第1回目は金富子(キム・プジャ)さんと「在日韓人歴史資料館」を訪れました。

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在日韓人歴史資料館は麻布十番駅から徒歩3分のところにあります。2005年に開館し、在日の歴史を後世に伝えていくために、在日コリアンに関するさまざまな資料を展示・公開している資料館です。

まずは資料館スタッフの李美愛さんが資料館と展示の説明をしてくださいました。

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展示はちょうど100年前、関釜連絡船が就航したところから始まります。

在日コリアン1世が日本へ渡航した事情、関東大震災における朝鮮人虐殺、強制連行などの植民地の歴史、戦後の帰国と残留、差別撤廃運動など在日コリアン100年の歴史がわかりやすく解説されていました。

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昔の乗り物、「幸せ運ぶコッカマ(花輿)」なるものに乗ってみることもできます。こちら解説文を読んでから乗るのがお勧めです。

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展示を一通り見学し、次は資料館内のセミナールームに移動して金富子さんのお話です。

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「植民地朝鮮から日本へ移動した朝鮮女性たち」といテーマのお話は、在日コリアンとは誰かといったことから、移動の歴史、差別、そして在日女性たちを取り巻く困難など、非常に濃い内容でした。

関東大震災における朝鮮人虐殺事件が起きたとき、朝鮮人女性たちは性暴力の被害にも曝されました。

女性たちが、裸にされ、レイプされ、殺されたという目撃証言が残っています。

またこれらの性暴力は朝鮮人男性が犯したかのように流言化され、「朝鮮人=凶悪犯罪人」というイメージが作り上げられました。

こうした事実を捻じ曲げようとする歴史修正主義的な動きもある中、大変貴重なお話です。

盛りだくさんの内容で時間が足りなくなってしまいましたが、頭も身体も使ったのでお腹が空きました。

お楽しみのコリアン料理の時間。「純豆腐・田舎家」でわいわい楽しくお料理を食べました。

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フェミニズムの視点から歴史に触れることで、博物館や資料館など普通に訪れただけでは気が付かないことが見えてきます。

そんなフィールドワークツアーの次回は、横浜の海外移住資料館です!ぜひご参加ください。

詳細は下記からご覧ください。
(11/3)フィールドワーク第2回「海外移住資料館でみる女性移民のあゆみ――日本から海外へ渡った女性たち」

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

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