【書籍紹介】若い世代の恋愛と性をかんがえる2冊
2011/11/18若い世代は恋愛と性についてどのように考え、行動しているのだろう?大学生と身近につきあっている教員たちによる、親身なアドバイスも含んだ2冊をご紹介。
ストップ!デートDV―防止のための恋愛基礎レッスン (2011/11/17) 伊田 広行 |
「暴力はいけない」と説くだけのDV防止啓発本とは一味違う、「ふつうの恋愛」観そのものに分け入る本。楽しいはずの恋愛に支配する/される関係が生まれてしまいがちなのは、「2人でひとつ」を理想とする「カップル単位の恋愛」観そのものに問題がある、と、伊田さんは指摘しています。
私は私、あなたはあなた、と自他の違いをはっきり意識した恋愛というと、なんだか寂しく聞こえる人もいるかもしれません。でも、しょせん恋愛ってその程度のもの、と割り切る考えを知ることで、かえって勇気づけられる若い読者も多いのでは。
大学生と語る性―インタビューから浮かび上がる現代セクシュアリテイ (2011/10) 田村 公江、細谷 実 他 |
こちらでは、大学の教員たちが、性に対する考え方や実践について、学生たちにインタビューしてみました。セックスや結婚について真剣に考えている子もいれば、のびのびとセックスを楽しんでいる子もいます。当たり前のことだけど、「若者の性」といっても十人十色。田村公江さんが論文で分析していますが、「夫婦は何歳までセックスすると思いますか?」という質問への反応は、特に面白いです。
気になったのは、ヘテロ男子は「くん」、ヘテロ女子は「さん」、ゲイとトランスジェンダーの2人は「氏」と、呼称が使いわけられていること。せっかく意欲的な本なのだから、呼称の使い分けを「自然」と感じる意識にも挑戦してほしかったな、と