防衛省に要請に行ってきました
2010/08/06原告の方は、「被害を受けた後も、自衛隊の対応にはまったく誠意がみられず、3年3ヶ月も裁判をしないとならなかった。今も自衛隊の中で被害にあって苦しんでいる女性たちのために、今日は話をしにきました」と話されました。
対応された防衛省事務次官は、自衛隊としてセクハラ防止のために、教育、監督者責任、相談体制の3つを重視して対策をとっていると話されましたが、裁判でも、実際に事件が起きたとき、これらの対策がまったく機能しなかったことが明らかになっているのだから、なぜ機能しないのか、外部専門家の声も聞いて真摯に反省してほしいと思いました。同行者のひとりも言っていましたが、控訴しないことはもちろん、きちんと反省を示すためにも、原告の方に謝罪をしていただきたいと思います。
みなさんからも、控訴しないよう、ぜひ防衛省にはたらきかけてください!防衛省のご意見ページ
「支援する会」のメンバーからも、報告が届きました。(8月10日)
防衛省より先に、新築の衆議院第2会館へ。荷物検査などセキュリティーがシビアになっています。議員さんの部屋は広くなってほんとに立派。
そこで、お世話になった議員さんに挨拶に回ったり、北海道出身の議員さんのところに資料を届けたりしました。
廊下から正面に国会議事堂上部が見えました。(すいません、お上りさんで)
そうこうしているうちに時間で、あわててタクシーで、市ヶ谷へ。
防衛省で会ったのは防衛事務次官の中江公人さん。
時間は、11時30分から15分の予定のところ30分いました。
現職だったら一生、口をきく機会もなかったかも知れない事務次官のセクシュアルハラスメント防止対策の説明に対して、思わず、原告が現場(基地)では、それがまったく有効に機能してなかった!という悔しさと怒りの声を上げたのでした。
原告の言いたかったことが直に言えてよかったです。
以下、原告の感想から一部抜粋
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私は防衛省での面談に不安を感じていました。2009年3月に私の任用継続が認められず、退職となってから1年半が経とうとしています。でも、私の中には未だに自衛隊という組織に対する懐疑心や嫌悪感、そして恐怖があります。私が不当に任用拒否された理由を明らかにしたい一方、もう二度と自衛隊という組織には関わりたくない
という気持ちもあります。ただ今回の機会を無駄にしたくない、直接控訴を断念するように申し入れることができるならば、と防衛省に行くことを決めました。
防衛省には社民党の福島瑞穂議員と共産党の紙智子議員、私と支援する会の七尾さんの他にアジア女性資料センターなどから数名の女性が一緒に来てくれました。私達の申し入れに応じたのは、防衛事務次官の中江さんでした。
面談は福島議員の申し入れ書の手交から始まり、席について福島議員から改めて控訴をしないでいただきたいと次官に話されました。
私も、「3年3ヶ月という長い期間裁判を行うのは大変だった。しかし、3年3ヶ月前、裁判を起こさなければ私は自衛隊にいることができない状態にまで追い詰められていた。裁判中も自衛隊は答弁をしないという態度や嘘だらけの準備書面など最後まで誠意を感じられなかった。控訴をしないで早くこの問題を解決し、これから自衛隊内でセクハラが起きないような対策をとってほしい」と伝えました。
議員から今回のことについて防衛省はどのような対策をとるのかといった質問を次官にしました。次官はセクハラ対策として1.教育をすること2.上司の教育をすること(監督者の責任)3.制度や体制を整えること、という答えでした。
1について言えば、どのような発言がセクハラに当たるのか、実例をもって教育をしている。2に関しては幹部に対しての教育を行っている。3は現在ある相談窓口の体制の説明をしていました。私はこの次官の説明に、憤りと怒りが沸き起こり黙って聞いていられませんでした。
私は「教育をしているといっているが、私は性暴力を受けた直後に、加害者と一緒にセクハラ教育なる教育を受けさせられました。また上司の教育を行っているといっているが、基地で一番偉い基地司令に、『なにがセクハラかわからないから教えてくれ。』と言われ、上司による2次的被害を受けた上に退職強要を受けました。さらに相談体制をとっているというが、相談窓口は自衛隊の共済組合が運営しており、私が加害者からの性暴力、上司からの2次被害や退職強要を受けその相談窓口に連絡した際、組織の問題はわかりませんという回答しかもらえなかった。」という説明をしました。
私に続いて福島議員も「なにがセクハラでなにがセクハラではないかという問題ではない。被害を受けたと女性が言い、その事実があればそれがセクハラなのだ。今回の原告のケースはあきらかにセクハラである。」と断言してくれました。
最後に今回急遽防衛省への申し入れが決まったため、東京滞在時間が約24時間というハードスケジュールでしたが、とても多くの収穫がありました。今回、防衛省に申し入れをするために動いてくれた、たくさんの人や議員にお礼を言いたいと思います。今回の申し入れや要請書によって国が控訴せず、判決が確定し、一日も早く普通の生活を取り戻すことができることを祈っています。