(12/20)男の子に対する性暴力:カンボジアにおける調査から
2018/10/30 ユネスコの世界遺産にも登録されているアンコール・ワット遺跡群があるカンボジアは、世界中から観光客が訪れる国です。近年では驚異的な経済成長を遂げ、2018年の国内総生産(GDP)は、7%増加すると予測されています。他方、アンコール・ワット遺跡のあるシエムリアップは、カンボジアのなかでも経済的に非常に貧しい人々が住む地域です。観光客で賑わう繁華街から少し離れると、学校に通うことすら困難な、極めて過酷な生活を強いられた子どもたちが多く生活しています。
こうした現実のなかで、子どもに対する暴力の問題は深刻です。2013年に政府がカンボジア全土を対象に実施した調査では、カンボジアの5割以上の子どもたちが何らかの暴力の被害に遭っており、そのうち20人に1人は性別を問わず性暴力被害の経験をもつことがわかっています。
最近では男の子への被害の状況も明らかになってきました。あるサンプル調査によると、調査に参加した男の子の5割が自分の意思に反して性器を触られる経験をしており、そういった暴力が「大人の愛情表現」や「友達の絆を強める行為」と理解されています。
今回のセミナーでは、カンボジアで12〜18歳の男の子に対する性暴力の調査を実施すると同時に、国連子どもの権利条約委員会に提出するNGOレポートの草案者として52団体との協議を進めている中川香須美さんに、男の子に対する性暴力被害を中心にカンボジアにおける子どもの権利について報告していただきます。
講師:中川香須美さん
1997年からカンボジアに住み、2001年からパンニャサストラ大学でジェンダー学を担当。2008-2010年、JICA専門家としてカンボジア女性省で勤務、その後も女性省のアドバイザーをつとめ、第二次「女性に対する暴力撲滅のための国家行動計画」を2年かけて参加型で草案。国連開発計画、国連ウーマン、国連人口基金、その他NGOなどのコンサルタントとしてカンボジアで働く。アジア女性資料センターの会員であり、『女たちの21世紀』の連載コラム「アンコールからのんびり便り」執筆者
日時:2018年12月20日(木)18:30~20:30
会場:渋谷男女平等・ダイバーシティセンター・アイリス 会議室1、2(東京都渋谷区桜丘町23-21渋谷区文化総合センター大和田8階)アクセス
参加費:一般 800円、AJWRC会員・学生 500円
定員32人
お申し込み方法:こちらのフォームにご記入ください。フォームに上手く入力ができない場合は下記、お問い合わせ先のNPO法人アジア女性資料センターまで、件名を「男の子に対する性暴力:カンボジアにおける調査からへの参加申し込み」としたうえで①お名前②ご連絡先をご連絡ください。
【お問い合わせ先】
NPO法人アジア女性資料センター
E-mail:ajwrc@ajwrc.org
Tel:03-3780-5245 Fax:03-3463-9752
〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町14-10-211