フィリピン:スービック性暴力裁判支援
2007/01/19フィリピンのレイプ裁判支援
2005年11月1日、フィリピン・マニラ近郊のスービック元米軍基地で、22歳のフィリピン人女性「ニコール」さん(仮名)が、バーで知り合った沖縄基地所属の米兵に車中に連れ込まれ、レイプされる事件がおきました。ニコールさんは支援者に支えられ、フィリピンで初の米兵に対する性暴力裁判を起こしました。訪問米軍地位協定(VFA)はフィリピン側にとって非常に不平等な内容で、米軍犯罪は1年で時効とされるため、1年間で判決を出すスピード裁判となりました。アメリカ・フィリピン両政府の圧力と、激しいバッシングに遭いながらも、ニコールさんは強力な女性たちのネットワークに支えられて裁判を戦い抜き、2006年12月、実行犯の米兵に懲役40年という画期的判決を勝ち取りました。
この裁判をきっかけに、フィリピン国内ではVFA協定見直し論議も高まりましたが、2009年2月にフィリピン最高裁の判断により加害米兵の身柄は米大使館に移送されることになりました。さらに2009年3月には、ニコールさんが証言を撤回、アメリカに移住したことが明らかになり、世論が反ニコールに傾く中で、2009年4月に控訴審は、被害者は酩酊状態にあり性交に合意をあたえられない状態であったことをみとめながら「明らかな暴行や脅迫はない」として加害米兵に逆転無罪判決を下しました。