「ジェーン」に正義を!米兵と警察による暴力を問う裁判
2008/04/19
「ジェーン」さん(仮名)は、2002年4月の深夜、神奈川県横須賀基地の近くで米兵によるレイプ被害を受けました。しかし神奈川県警の捜査員は、ジェーンさんがくり返し懇願したにもかかわらず、すぐに病院に連れて行くかわりに、被害者の気持ちを無視した屈辱的な捜査を優先しました。ジェーンさんはレイプ被害を受けていたにもかかわらず、診察も受けられないまま、結局10時間近くも警察に拘留され続けたのです。
性暴力被害に対する司法対応
日本の検察は2002年7月に不起訴を決定し、米軍の軍法会議もこの件を扱わないと決定したため、事件は、被害者と加害者間の個人的な問題ということにされてしまいました。そこでジェーンさんは、2002年8月に加害米兵に対する民事訴訟を起こし、2005年に勝訴判決を勝ち取りました。しかし米軍が公判中に加害者を除隊・帰国させてしまい、居場所がわからなくなってしまったため、実際に補償金は支払われませんでした。
神奈川県警に対する国家賠償請求裁判
ジェーンさんは、さらに、神奈川県警の不適切で屈辱的な捜査によって受けた苦痛に対し、国家賠償請求を起こしました。この裁判は、2009年7月16日に最高裁で敗訴が確定しましたが、警察による性暴力の捜査のあり方に対する重要な問題提起となりました。
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日本政府による見舞金支払い
加害米兵が未払いのままの民事訴訟判決額300万円について、2008年5月に防衛省は、日米地位協定では救済されない被害者の救済措置について定めた1964年の閣議決定を適用して見舞金の支払いを決めました。
●ジェーンさんに防衛省が見舞金支払いを決定(2008-05-20)
米法廷で勝利判決
ジェーンさんは処罰を免れて本国に帰還した加害者の行方を自力でつきとめ、提訴、2013年10月に勝訴判決をかちとりました。裁判では原告が、ジェーンさんとの民事訴訟中であったにもかかわらず、在日米軍の弁護士の指示で日本を出国したことも明らかにされました。
●米軍の性暴力被害者ジェーンさんに、米法廷で勝訴判決
【参考】
●ジェーンさんのキャンペーンサイト「ウォリアーズ・ジャパン」
●『女たちの21世紀』No.49 小特集「再考・米軍基地と性暴力」(ジェーンさんインタビュー記事掲載)
最終更新:2010年11月15日