イラクで人質となっていた3人とその家族に対する卑劣な攻撃に抗議する声明
2004/04/15イラクで人質となっていた3人とその家族に対する卑劣な攻撃に抗議する
私たちは、イラクで武装グループの人質となっていた高遠菜穂子さん、今井紀明さん、郡山総一郎さんの3人およびそのご家族に対する卑劣な誹謗中傷の高まりに、心からの悲しみ、恐怖、怒りを覚えています。
そして、心痛と疲労の極にあるご家族をさらに傷つけ、発言と行動の自由を否定するこのような発言・行為に責任あるすべての政府関係者、メディア関係者および個人に対し、つよく抗議します。
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「政府が危険を警告していたにも関わらず出かけていった本人たちの責任」「身勝手な行為で政府に迷惑をかけている」といった 3人に対する非難だけでなく、ご家族に対しても「感情的に自衛隊撤退を主張し、態度が大きい」といった発言が、何人かの政治家やコメンテーターから投げかけられました。
こうした非難中傷は、13日の首相発言や同日付けの読売新聞社説に見られるような、政府と右派メディアによる組織的なネガティブキャンペーンのレベルにまで高まっています。
これらに刺激された心ない個人によるご家族に対する直接的ないやがらせ行為も増えており、ご家族は、記者会見で謝罪の言葉を連ねなければならないほどに追い詰められています。
このような卑劣ないやがらせと脅迫によって、国家の政策に従わず自らの意思によって行動する市民を罰し、黙らせようとする行為こそ、まさにテロリズムの名に値するものといえます。
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3人のイラクでの活動を「身勝手で迷惑」として不当におとしめようとする中傷に反して、実際には、自らの信じるところによって、アメリカの占領に追随する日本政府とは異なる方法でイラクの人々と連帯しようとした彼らの気持ちが現地の人びとに届いたからこそ、多くのイラクの人びとが3人の命を救うために動いてくれているのです。一部のマスコミの心ない報道は、事実と真実を伝えようと努力する記者関係者をも足蹴にするものです。
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私たちは、イラクの人々と真の友好と連帯を築こうと行動した3人と、心痛と不安にも関わらず、果敢に発言し行動を続けておられるご家族に、心からの敬意と連帯を表します。そして、すべてのマスメディア関係者に、人権と発言の自由を守る社会的責任を自覚するように求めます。
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