柳沢大臣発言に抗議し辞任を求める申し入れ
2007/01/3030日2:00より、厚生労働省前で柳澤大臣の「女性は子どもを産む機械」発言に対する緊急抗議アクションを行いました。前日夜からの緊急呼びかけにもかかわらず、10団体、百余人が賛同し、厚生労働省前の集会には50人が集まりました。
集会では、呼びかけ団体のほか、女性労働、リプロダクティブライツ、婚外子、石原都知事の「ババア」発言問題に取り組むグループがマイクを握り、「柳沢大臣は辞任を!」と声を上げました。
野党だけでなく与党からも辞任の声がでていますが、安倍首相や塩崎官房長
官はまだ柳沢大臣をかばう姿勢をみせています。この問題は個人の舌禍にとどまらず、安倍内閣が最重要課題と位置づける少子化対策と労働法制の根幹にかかわります。柳沢辞任をかちとることは、この人権無視政権に対して女性の自由を守る闘いの譲れない一歩です。
以下の辞任要求への署名賛同を募っています。→署名フォーム。 周りの方にもお知らせください!
■柳澤大臣の発言に抗議し辞任を要求します■
私たちは、ジェンダー平等社会をめざして活動する市民団体です。
さて、柳澤伯夫厚生労働大臣が1月27日、松江市内で開かれた自民県議の決起集会の講演で少子化問題にふれた際、女性について「産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」などと発言したことが、報道により明らかになりました。
男女がともに、子どもを安心して生み・育てる環境を整備することを重要な施策としている厚生労働省の最高責任者である大臣のこの発言に、私たちは大変驚いております。
報道によれば、柳澤大臣は、29日、国会での質問に答えて「女
性の方々を傷つける不適切な表現を用いた。国民、特に女性に申し訳ないと存じ、改めて深くおわび申し上げる」と謝罪したと伝えられています。しかし、「産む機械」との発言は、「産めよ殖やせよ」の人口政策を彷彿とさせるばかりでなく、少子化の問題を女性の側に責任転嫁するものであり、女性の人権を全く無視したものと言わざるを得ません。また、「女性の性と生殖の自己決定権(リプロダクティヴライツ)」を尊重するという視点が、柳澤大臣に欠落していることもまた、露呈したと考えます。
政府の果たす役割は、安易な出産奨励ではなく、子どもを望む女性が、生み育てたいと思えるような環境を整備することであるはずです。しかし、先日の安倍首相の施政方針演説では、「子どもは国の宝」と言われ、また、「家族の素晴らしさや価値を再認識することも必要」だと言われました。このようにして「少子化対策」が「家族の価値」と重ね合わせられるのをみるとき、また、今回の「産む機械」発言をみるとき、現政権は、子どもや女性を、あるいは家族を、それじしんの価値によってでなく、何か他のもののために価値をもつものとみているのではないかとの危惧を禁じ得ません。
現在、非正規雇用へと追いやられる女性の数は増え、そのため、極めて緩慢ではあれ縮まりつつあった男女の賃金格差には拡大する傾向が出てきています。このような状況が、安心して子どもを産み育てられるものでないことは明らかです。私たちは、柳澤大臣の女性の人権を踏みにじる発言に抗議し、発言の撤回と大臣の辞任を要求いたします。
提出団体
I女性会議
アジア女性資料センター
Mネット民法改正ネットワーク
ふぇみん婦人民主クラブ
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