『f visions』No.6【特集】保守政治とジェンダー・生殖・セクシュアリティ
2023/02/162023年1月発行
単価(冊子版) : ¥1,430 (税込)
単価(ダウンロード版) : ¥1,210 (税込)
アジア女性資料センター発行/夜光社発売
64ページ
『f visions』NO.6 訂正のお詫びとお知らせ
2022年7月の参議院議員選挙中に発生した安倍晋三氏の銃撃事件は、政治的右派と宗教保守派との深い関係を明るみに出し、大きな衝撃をあたえました。しかし「高額献金を要求し家庭を破壊する」カルト宗教と政治家との癒着に注目が集まる一方、両者のあいだのイデオロギー的なつながり、とりわけその中心にある「家族」は、なお十分な批判的検証の対象になっていません。
本特集では、右派政治においてジェンダー関係・セクシュアリティ・生殖の統制がもってきた中心的意味について、近年の国際的な潮流も視野に入れながら、あらためて考えてみたいと思います。特に後半では生殖の統制をめぐる政治に焦点をあてていきます。
多くの論考が示唆するように、右派政治の関心は、「女性」身体を支配し「伝統的」役割に押し込めることをはるかに超えて、人種や階級など多様な差異を動員しながら、生命と国家・社会の再生産を統制することに向けられているように見えます。「安部政治」後のフェミニズムの課題もここから見えてくることになるでしょう。(「特集にあたって」より抜粋)