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「防衛省」設置法案と自衛隊法改悪案に反対します

2006/07/01

アジア女性資料センターは、「許すな!憲法改悪・市民連絡会」が呼びかけた、以下の共同声明に賛同しました。――――――――――――――――――――――――――――――――――「防衛省」設置法案と自衛隊法改悪案に抗議し、廃案を求める共同声明

 小泉内閣は通常国会の会期切れ直前の6月9日、「防衛省」設置法案とそれに関連して自衛隊法改定案などを提出しました。これらの法案は、防衛施設庁主導の談合発覚で2月に見送ったはずのものですが、事件が未解決のまま提出したのは、問題になる法案は秋の臨時国会で成立させ、来夏の参院選に「重荷」を持ち越したくないという与党の思惑もあります。このような法案提出のやり方は「アンフェア」というべきですが、それ以上に重大な法案であり、私たちは強く抗議し、廃案を求めます。

 「防衛省」設置法案は、単に庁を「省」に、長官を「大臣」昇格させたり、在日米
軍の基地・施設も扱う防衛施設庁を吸収・統合するだけではありません。これに便乗する形で、これまで自衛隊の「本来任務」ではなかった周辺事態での活動や海外派兵を自衛隊の本務に格上げすることが主な内容となっています。現行の自衛隊法では、自衛隊の任務は「侵略からの防衛」(第3条)とされ、国際緊急援助隊への協力、国連PKOなど「国際平和協力業務」、周辺事態における船舶検査や後方支援などの活動は100条の「雑則」各号に追加されてきました。しかし今回の自衛隊法改定案では、3条に周辺事態での「我が国の平和と安全に資する活動」と「国連を中心とした国際平和のための取組への寄与、国際社会の平和と安全の維持に資する活動」を加え、100条活動は「3条活動」すなわち自衛隊の「本務」にするというものです。そうなると、自衛隊の組織・装備・活動・訓練などは、海外派兵のための本格的なものになっていくでしょう。

 米軍再編問題で日米両政府は、自衛隊を米軍と一体化させ、「国際の平和と安全」を掲げて地球上どこででも軍事行動ができる体制を作るという戦略で合意しました。
昨年10月に自民党が発表した「新憲法草案」には、「自衛軍の保持」と「国際社会の平和と安全を確保するために協調して行われる活動」が盛り込まれています。「防衛省」設置法案と自衛隊法改悪案は、そのような新「日米同盟」と憲法9条の改悪を先取りするものです。
 私たちは、これら新「日米同盟」と憲法改悪の先取り法案である「防衛省」設置法
案と自衛隊法改悪案を許さず、廃案を求めます。
              
  以上

許すな!憲法改悪・市民連絡会」

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