イラク人医師 モハメッド・ヌーリ・シャキールさんへの寄付と賛同のお願い
2006/02/16◆ 生命の危険にさらされているイラク人医師 ◆
◆ モハメッド・ヌーリ・シャキールさんへの寄付 ◆
◆ および支援グループへの賛同のお願い ◆
今年の1月1日から13日まで日本に滞在し、東京、大阪、京都、兵庫
県の各地で医療の視点から見た経済制裁・戦争・占領下におけるイラ
クの人々の生活について熱心に講演をされたイラク人医師モハメッ
ド・ヌーリ・シャキールさんの名前を覚えていらっしゃる方もいるか
と思います(1月9日の毎日新聞大阪本社大阪面や1月13日の神戸新聞の
地域ニュース阪神・三田面などで紹介されました)。モハメッドさん
(29歳)は1991年の湾岸戦争以後、国連によってイラクに課せられた経
済制裁下で医療を学び、医師になりました。2002年12月に当時のイラ
ク政権から奨学金を受け、隣国のヨルダンの大学院に留学するために
故国を離れましたが、2003年3月の米英軍によるイラクへの軍事攻撃の
開始とともに奨学金が打ち切られ、勉学の継続を断念せざるを得なく
なってしまいました。戦争の開始から数日後にヨルダンを離れ、いつ
ミサイルが飛んでくるか分からない大攻撃の最中に、陸路でバグダー
トに向かいました。激しい攻撃にさらされているイラクでは、何より
も医者が必要とされると判断したからでした。イラクへの帰国後は、
寝る暇を惜しんで次々と病院に担ぎ込まれる負傷者の手当てにあたっ
てきました。また、赤新月社やイラクの医療NGOである「Mercy
Hands」(マーシー・ハンズ)の活動にもボランティア医師として関わ
ってきました。
多国籍軍の占領下にあるイラクでは、攻撃が開始されてから現在に
いたるまで、何者かによる大学の教員や医師を狙った誘拐や暗殺事件
が多発してきました。モハメッドさん自身もイラクに戻ってから4ヵ月
後の2003年8月に、口頭と文書による死の脅迫を受けたために、故郷を
再び離れヨルダンに逃げざるを得なくなってしまったのです。彼の友
人の医師やバグダード大学医学部の学長も、仕事に向かう途中やクリ
ニックで働いていたときに、何者かに残酷にも殺害されてしまいまし
た。
モハメッドさんは日本での講演を終えた後にヨルダンに戻り、再び
医師として働きながら、Mercy Handsの活動や戦火を逃れてヨルダン
に渡ってくるイラク人の患者の治療に積極的にあたっています。しか
しながら、2005年11月にヨルダンの首都アンマンのホテルで起きた同
時爆破事件以降、ヨルダンにおけるイラク人を取り巻く滞在許可の取
得・更新状況が変化しました。滞在許可の取得や更新が以前よりもは
るかに難しいものとなったのです。モハメッドさん自身も滞在許可が
いつキャンセルされるか分からないという、非常に不安定な状況にお
かれています。滞在許可がキャンセルされ、あるいは更新ができなく
なった場合、彼は必然的に死の脅迫が待っているイラクに戻らざるを
得なくなるのです。すでに200名以上の医師が暗殺されており、すでに
彼自身も脅迫を受けているという過酷な状況を考えると、イラクに
戻るというのは死を選択するのと等しいものだと思います。
日本での講演や個人的な交流を通して、上記の深刻な状況からモハ
メッドさんをなんとか救うことができないかと考えた彼の友人である
私たち-その多くは関西に在住しています-は、彼が滞在許可のキャ
ンセルを恐れながらヨルダンに不安定な状態で滞在するのではなく、
日本の医学部の大学院で学びながら、医療NGOの活動を続ける方法がな
いものかと悩みました。彼自身も日本の大学院で血液や腫瘍の研究
を行いたいという強い意志を有しています。私費で日本に留学する財
政的余裕がまったくないことから、日本政府の奨学金の可能性につい
ても考えましたが、イラク国籍である以上、ヨルダンの日本大使館で
は申請することができないという障壁にぶつかりました。そこで、私
たちは奨学金に代わるものとして、「イラク人医師シャキールさん支
援グループ」を立ち上げ、彼の日本への渡航費、検定料(研究生お
よび博士課程)、医学部の入学金(研究生および博士課程)、学費(研究
生9ヵ月分)、健康保険代、生活費の一部(とりあえずは最初の9ヵ月
分。その後は各種の奨学金を申請する方向で活動をすすめる)などを彼
の活動に賛同する方々から、集めることができないものかと思い立ち
ました。すでに関西の大学の医学部の関係者に連絡を取りながら、受
け入れ先の大学を探す活動を開始しています。
厳しい状況におかれているイラク人医師は、モハメッドさんだけで
はありません。支援を必要としている医師はたくさんいますが、私た
ちはまずモハメッドさんの支援から始め、将来的には他の医師や医療
NGOの活動の支援にあたっていきたいと考えています。第一次締め切り
は、モハメッドさんが来日を希望している今年の6月末に設定していま
す。また第一次締め切りの目標額は、上記の必要経費をカバーする最
低額である120万円です。集まった寄付の使途の内訳や支援グループの
活動に関しては、発行予定のニューズ・レターにてご報告いたしま
す。モハメッドさんが来日した折には、再び各地で講演会を開催する
予定です。モハメッドさんのこれまでの活動や現在、彼自身がおかれ
ている状況へのご理解と、「イラク人医師シャキールさん支援グルー
プ」の活動へのご寄付・ご賛同をお願いいたします。
2006年2月10日
「イラク人医師シャキールさん支援グループ」発起人(あ順)
石川雅也(<日本-在日-韓国>ユースフォーラム・ジャパン事務局長)、粕川道雄(京都外国語大学博士前期課程)、清末愛砂(アジア女性資料センター運営委員・大学非常勤講師)、久保田裕之(大阪大学大学院人間科学研究科博士前期課程)、橋本育(書籍編集者)、前野覚(フリーライター)
<連絡先>
メール:iraqimd2006@yahoo.co.jp
電話:080-5470-8175 ファックス:06-6452-5414
<寄付金の振込み先>
郵便振替口座: 00910-4-279360
口座名称: イラク人医師シャキールさん支援グループ
賛同者を募集中!
賛同者になってくださる方は、上記のメールアドレス(iraqimd2006@yahoo.co.jp)
にお名前、肩書き(希望者のみ。公開の可否)、連絡先(メールアド
レスや住所:希望者のみ)を送ってください。ファックスで上記の情
報を送ってくださっても大丈夫です。賛同金を一口5000円からお願い
いたします。