北九州監禁殺人事件控訴審:DVの影響みとめ無期懲役
2007/09/28緒方被告は無期懲役に減刑 北九州監禁殺人 控訴審判決
2007年09月26日15時35分
http://www.asahi.com/national/update/0926/TKY200709260266.html
北九州市で96~02年にかけて、幼い子供2人を含む男女9人を監禁し7人を死なせたとして、松永太、緒方純子被告の2人がともに福岡地裁小倉支部で死刑判決を受けた裁判の控訴審判決が、26日午後、福岡高裁であった。
虎井寧夫裁判長は、松永被告については一審判決を支持して控訴を棄却。緒方被告については「特異な人格を持つ松永の主導の下、適法行為の期待可能性が相当限定された中で、追従的に犯行に関与した。再犯の危険性が高いとは言えない」と述べて一審判決を破棄し、無期懲役を言い渡した。
緒方被告は一審で罪を認めていたが、控訴審では「当時、松永被告から日常的に通電などの暴行を受けており、ドメスティックバイオレンス(DV)の被害者だった。松永被告に無批判に従う『道具』と化し、刑事責任能力が著しく減弱していた」と主張。裏付けるため一審で精神鑑定をした大学教授やDVの専門家を証人尋問した。
今年7月の公判では、緒方被告が「松永被告の暴力を受け入れた昔の自分がとにかく憎い」と証言。弁護側は、被害者全員について殺意を否認し、松永被告との共謀共同正犯は成立しないと主張してきた。
これに対して検察側は、「判断力が低下していた可能性があっても喪失していたとまでは言えない」と主張していた。