福岡市議会が「慰安婦」問題意見書を可決
2009/03/26福岡市議会は3月25日、日本軍「慰安婦」問題に対して政府に誠実な対応を求める意見書を賛成多数で可決した。意見書案はふくおかネットワークと社民党、民主党、共産党の共同で提出され、公明党が賛成して可決された。自民党は反対した。地方自治体の議会では宝塚市と清瀬市、札幌市が同様の意見書を提出しており、福岡市議会は4番目。
日本軍「慰安婦」問題に対する国の誠実な対応を求める意見書
かつての戦争において、日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与えてから、すでに64年経ちますが、いまだに人々の戦争被害の傷は癒されていません。そして直接の被害者のみならず、その子孫も親世代が傷つき癒されていないことで傷ついています。日本軍「慰安婦」問題は、その象徴的な被害です。
2007年にはアメリカ、オランダ、カナダ、EUなどの議会において、日本政府に対し、「慰安婦」問題の責任を認め、公的に謝罪することなどを求める決議が採択されています。2008年にはフイリピンの外交委員会や韓国及び台湾の議会でも採択され、国連などの国際的な人権擁護機関からも早期解決を求める勧告が出されています。国際社会は「慰安婦」問題を現在に通じる重大な人権侵害と認識し、日本政府が誠実に対応することを要請しています。
「慰安婦」問題に誠実に対応することは、戦争を遂行するために女性の性が利用されるという人権侵害が二度とないようにするという日本政府の世界への意思表示となります。そして、アジアの人々の戦争被害の傷を癒し、和解して平和的に共存していく道筋を作ることになります。
被害者の訃報が相次ぐ中、被害者の存命中に納得できる解決が急がれます。
よって、福岡市議会は、国会及び政府が、1993年の河野内閣官房長官談話に基づき、次の事項について誠実な対応をされるよう強く要請します。
1) 被害者出席のもと、国会で公聴会を開くこと
2) 「慰安婦」問題の責任を認めて、政府は公的に謝罪すること
3) 「慰安婦」問題の解決のため、政府は被害者の名誉回復を図ること
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成21年3月 日
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、外務大臣、法務大臣、文部科学大臣 あて
福岡市議会議長 川口浩