アフガニスタン:シーア派家族法はタリバーン時代への逆行
2009/04/07 アフガニスタンで、シーア派のみを対象とする家族法の改正案が議会を通過、成立しそうになっていますが、女性の自由を著しく制限する内容に、人権団体や援助国は「タリバーン時代への逆戻り」だとして強く批判。カルザイ大統領に見直しを求めて圧力をかけています。
この法案は、アフガニスタン人口の10%程度を占めるシーア派ムスリムにのみ適用されるものですが、
・女性は「正当な」理由なく外出できない
・夫の許可なく就労や教育を受けられない
・妻は夫の性的欲望に対して積極的に応じなくてはならないなど、婚姻内レイプを容認している。
・妻は離婚に際して子の親権者となれず、夫が死亡しても土地や家屋を相続することはできない
などの内容が含まれています。アフガニスタン憲法は両性の平等を掲げているにもかかわらず、家族法に関しては各宗派の裁定にゆだねるとされていることは、制定時から女性団体によって強く批判されていました。
この法案はシーア派保守派の強い要求のもとに議会を通過し、大統領選挙をひかえているカルザイ大統領もいったんは署名をしたとの情報が流れていましたが、米欧のドナー国は、女性の権利は対アフガニスタン支援の最重要問題であるとして、カルザイ大統領に強い圧力をかけています。
大統領は「欧米メディアの批判は誤解に基づくもの」と反論しながらも、アフガニスタン憲法に反する恐れのある条項は見直しを行うとの姿勢を明らかにしました。
April 03, 2009
New Law Seen As Setback For Afghan Women’s Rights
http://www.rferl.org/content/New_Law_Seen_As_Setback_For_Afghan_Womens_Rights/1601618.html