GIDの夫の子の婚外子扱いを法務省が指示
2010/01/12 性同一性障害(GID)の認定を受けて戸籍上の性を女性から男性に変更した夫が、第三者の精子を使って妻との間に人工授精でもうけた子について、法務省が「嫡出子」と認められないとの見解を示し、婚外子として受理するよう指示したことが明らかになった。法務省は今回の指示を「遺伝的な父子関係がないのは明らか」であるためと説明している。しかし民法上の「夫」は生物学的男性である必要はなく、また親子関係の確立に生物学的な親子関係の立証は必要とされておらず、人工授精による子は通常、婚内子として受理されている。法務省の見解は、遺伝学上の父子関係がない親子について、夫がGIDである場合にのみ差別的取扱いを行い、夫婦間の自然生殖にもとづく戸籍制度を維持する立場を示すものといえる。
(報道)「性別変えた夫の子、妻出産でも婚外子扱い 法務省見解」(朝日新聞 1/10)