スリランカ人メイド虐待:サウジ政府は全否定
2010/09/13 サウジアラビアに出稼ぎに行っていたスリランカ人の女性が、雇用主の夫婦に、手足や額に24本もの釘や針を打ち込まれて虐待された事件について、サウジアラビア側は「供述は信じ難い」として全否定する構えです。
この女性は、8月21日に5ヶ月間の出稼ぎを終えてスリランカに帰国、その後、家族に痛みを訴えて病院で診察を受けたところ、24本もの釘や針が手足や額に打ち込まれていたことがわかりました。
女性は、サウジアラビア人の雇用者夫婦に、あまりに過重な労働に不満を訴えたところ、懲らしめとして拷問されたと話しています。
被害者は病院で3時間にわたる摘出手術を受けたが、釘は長いもので5センチほどあり、うち1本は目の上に打ち込まれていました。
スリランカ政府は事件をサウジアラビア側に伝えて捜査協力を要請していましたが、サウジ商工会議所委員長は、「体内に金属があれば空港の金属探知機でひっかかるはずだ」と主張し、事件はでっちあげだとスリランカ側を非難しています。サウジ政府も同じ疑問を指摘して「供述は信じ難い」などとしています。
スリランカからは200万人弱が中東に出稼ぎに行っており、うち約140万人が家事労働者としてはたらいています。スリランカ政府は経済関係の悪化をおそれてか、強い抗議の姿勢を示していない模様です。