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UNDP:ジェンダー不平等指数(GII)を発表

2010/11/19

UNDP(国連開発計画)は11月4日、2010年度版「人間開発報告書(Human Development Report)」を発表し、これと同時に「ジェンダー不平等指数(Gender Inequality Index: GII)」を発表しました。

GIIは、リプロダクティブヘルス(妊産婦死亡率と、若年妊娠出産率)、エンパワーメント(議員の男女比と、初等・中等教育の男女比)、労働市場(女性の労働市場参加率)の3つの側面、5つの指標によって、ジェンダー平等度を数値化したもの。それまで用いられてきたGDI(ジェンダー開発指数)およびGEM(ジェンダーエンパワーメント指数)という2つの指標に代わるものとして、今回初めて導入されました。基本的に人間開発指標(HDI)と同じ手法で作成されており、ジェンダー不平等によって、その国の人間開発にどれほどの損失が生じたと考えられるかを測ることを目的としています。1995年から用いられてきたGDI およびGEMは、収入レベルの側面が強く反映されるなど、概念と技術の面で限界が指摘されていました。GIIでは収入におけるジェンダー格差を指標に取り入れていません。

GIIの全世界平均は0.56で、これはリプロヘルス、エンパワーメント、労働市場参加の3つの側面において、ジェンダー不平等が残っているために生じた人間開発達成上の損失が56%であることを示しています。地域で見ると先進国の平均が32%に対して、南アジアでは74%、サハラ以南アフリカやアラブ諸国でも大きい損失を示す数字が出ました。日本は27%で世界12位でした。世界経済フォーラムのジェンダー格差レポートで97位とされたのとは大きな違いですが、これは、GIIとジェンダー格差レポートの目的や指標が大きく異なっているためです。UNDPでは、世界的に見て、リプロダクティブヘルスがもっとも重要な要素であると指摘しています。

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