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12.18日韓首脳会談に対する声明

2011/12/22

アジア女性資料センターも参加する「日本軍『慰安婦』問題解決全国行動2010」の「12.18日韓首脳会談に対する声明」です。

  日本政府は日韓請求権協定に従って二国間協議に応じ、
  日本軍「慰安婦」問題の解決を!

 京都で開催された日韓首脳会談で、李明博大統領が日本軍「慰安婦」問題の「優先的解決」を求めたことに対し、野田首相は「(日本の)法的立場はすでに決まっており決着済みだ」とした上で、ソウルの日本大使館前に建立された平和の碑の「撤去」を求めました。
 日本軍「慰安婦」問題の解決を心から願ってきた私たち日本の市民は、この野田首相の発言に失望を禁じ得ません。

■日本政府は、韓国政府が申し入れた二国間協議に応じるべき  野田首相は「法的には決着済み」という従前の日本政府の主張を繰り返しました。この主張に自信を持っているならば、両国の間にある「解釈上の紛争」につき、日韓請求権協定第3条に定められた手続に従い、韓国政府が申し入れている二国間協議に堂々と応じるべきです。9月以降続けられている韓国政府の提案には返答すらせずに、平和の碑の撤去だけを求める日本政府の非礼な外交的態度こそが、日韓関係に悪影響を及ぼす最たる要因であることを政府は認識しなければなりません。

■「平和の碑」撤去要請は本末転倒  ソウルの日本大使館前の「平和の碑」には以下のように刻まれています。
「1992年1月8日、 日本軍「慰安婦」問題解決のための水曜デモが、ここ日本大使館前ではじまった。2011年12月14日、1000回を迎えるにあたり、その崇高な精神と歴史を引き継ぐため、ここに平和の碑を建立する」
 碑が建立された意味を意図的にねじまげ、碑が日韓間に問題を発生させているかのように情報操作する言動は、却って日本軍「慰安婦」問題に対し政府が後ろめたさを持っていることをさらけ出しています。「在外公館の尊厳を傷つける」などと、被害女性たちの尊厳を傷つけたまま被害回復措置を取っていない日本政府が言うべきことではありません。私たちは、日本の市民としてこのような政府の態度を本当に恥ずかしく思います。
 
■私たちは被害者が受けいれられる、日本政府の責任を明確にした解決策を求めます  野田首相は、「人道的立場から、これまでも様々な努力をしてきた。これからも人道的な見地から知恵を絞っていこう」と発言したとされます。「人道的立場」とは、罪を犯した側が使うべき言葉ではありません。自らの責任を認めないこのような言動は、問題解決を遠ざけるだけです。政府の責任をあいまいにしたままの謝罪と補償が、被害者に受け入れられるはずがありません。
 今回はじめて日本軍「慰安婦」問題に触れた李明博大統領が、1時間の会談の40分を「慰安婦」問題に割いた意味を、日本政府は読み誤ってはなりません。
「人道的立場から」ではなく、過去の戦争犯罪を「日本政府の責任」として受け止め、被害者の声に耳を傾け、被害者が受け入れられる解決策を早急に提示するよう再度強く求めます。

2011年12月21日
第1001回水曜デモの日に
日本軍「慰安婦」問題解決全国行動2010

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