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女性差別撤廃委員会(CEDAW) 第7・8次日本審査の最終所見を発表

2016/03/11

女性差別撤廃委員会(CEDAW)は、日本における女性差別撤廃条約の実施状況に関する審査(第7・8回)を行い、2016年3月7日に最終所見を発表した。

最終所見の内容は非常に厳しく、日本に根強く残る女性差別が浮き彫りになった。

民法における男女の婚姻年齢、夫婦同性、再婚禁止期間に関する規定については、すぐに改めるよう勧告されている。これまで何度も勧告を出しているにも関わらず、未だに改正されていないのは問題であるとも指摘された。

「慰安婦」問題について、2015年の「日韓合意」は被害者中心のアプローチではないことを指摘し、未解決の問題であるという認識を示した。なお、日本政府が「慰安婦」問題が委員会の権限外であると主張したことや、未解決のまま多くの被害者が死亡していること、教科書の記述を削除したことについて遺憾だとした。指導的立場にある者や公職者は被害者を中傷するような発言をやめること、賠償、公式謝罪、回復支援などを被害者に提供すること、教科書に記述を戻し教育に取り組むことなどを求めている。

また、ILO家事労働者条約の批准を検討することも勧告された。

今回の審査で市民社会側からの情報提供を行った日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク(JNNC)は3月10日に報告集会を開き、最終所見の日本語訳(暫定)を発表している。

女性差別撤廃委員会(CEDAW)第63会期 第7次・第8次日本報告審議総括所見 日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク(JNNC)暫定訳(2016.3.10版)
オリジナル英語バージョンはこちら
CEDAW Concluding observations on the combined seventh and eighth periodic reports of Japan

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