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【報告】第59回 国連女性の地位委員会(CSW59) 参加報告会

2015/05/08

4月23日、第59回国連女性の地位委員会(CSW59)参加報告会を行いました。

国連女性の地位委員会(CSW)とは、女性の人権やジェンダー平等について、国連総会に対し勧告・報告・提案などを行う国連経済社会理事会(United Nations Economic and Social Council、通称ECOSOC)の機能委員会の1つです。CSW年次会合は、毎年2月または3月にニューヨークの国連総本部で行われます。

今年はこの年次総会の59回目、第4回世界女性会議(北京会議)から20年という大切な年であったため、アジア女性資料センターからも3人が参加しました。

初参加であった3人による報告会の様子をご紹介します!

アジア女性資料センター事務局の濱田は、CSW59の概要、3月8日に行われたNGOコンサルテーションデーや国際女性デー記念パレード、参加して考えた日本や海外のフェミニズム運動について話しました。

多くの人が参加していたパレードは、若い人が多く、小さな女の子も「私はフェミニスト」と書いたプラカードを持って歩いていたそうです!日本でも、若い人達とどんどん一緒に活動していきたいですね!
たくさんの元気なフェミニストがいたけれど、フェミニズムへの偏見がるために、それぞれの地域に戻れば孤独を感じることもあると話していたそうです。 CSWと平行して開催されるNGO主催のフォーラムは、フェミニストたちにとって活動に関する情報交換ができる、そして世界のフェミニストたちからパワーをもらえる貴重な場となっています。

カンボジア政府のCSW59報告書作成にも関わった中川香須美さんからは、「CSW59でのジェンダー平等政策に関する各国政府の議論や取り組み」が報告されました。政府の報告書作成に携わった経緯や、どの国も課題の分析よりも取り組みのアピールばかりになることの問題点、不十分なジェンダー予算などのジェンダー平等政策実施の課題についてお話しされ、会場からたくさんの質問がありました。

戦時下の性暴力をテーマにしたNGO主催イベントを中心に参加した永山聡子さんからは、日本の「慰安婦」問題に関する世界の認識や議論の報告がされました。「慰安婦」問題は女性の人権の問題であることや、この問題の解決に関する国際社会と日本の中での認識には大きな齟齬があることがわかります。

また、CSW開催中に日本の歴史修正主義者らが、内閣府男女共同参画会議委員の高橋史郎氏や「なでしこアクション」の関係者をスピーカーに揃えた集会をニューヨークのレストランで開催しました。この集会の開催には国内外から多くの批判の声が寄せられ、当初予定していた会場を急遽変更しなければならなくなったという経緯もあります。 報告会では、現地の活動家のみなさんと共に、この集会に対する抗議行動に参加したメンバーからの報告もありました。

今回のCSW参加の経験を、日本の運動、国内外のネットワーク構築・強化に活かしていきたいと思っています。
応援、よろしくお願いします!

CSW59報告会 kirinuki

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国際女性デイ記念パレード

※ 報告会より、「第59回国連女性の地位委員会(CSW59)参加報告書」(500円)の
販売も開始しました!
CSW参加報告書 2

英語・日本語の政治宣言の他、オフィシャル・ミーティング、政府や国際機関、NGO主催の
イベントの様子など、盛りだくさんの内容となっており、大好評でした!
ご興味ある方は、事務局(ajwrcあっとajwrc.org)まで是非ご連絡ください。

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