「女たちの21世紀」No.96 【特集】「女性活躍」政策の5年――利用されるフェミニズム
2018/12/102018年12月発行
単価 : ¥1,320 (税込・送料別)
¥1,110 (デジタル版・税込・送料別)
アジア女性資料センター発行/夜光社発売
2012年末に成立した第2次安倍政権が「女性が輝く社会」を打ち出したことは、2000年代初期からの「ジェンダー・バックラッシュ」を鮮明に記憶しているフェミニストたちにとって、大きな驚きであった。なにしろ安倍晋三といえば、2000年女性国際戦犯法廷を取材したNHK番組を改変させ、「過激なジェンダーフリー教育」への攻撃を煽ってきた中心人物である。その同じ人物が、あたかもフェミニストに宗旨替えしたのように「女性の活躍」を語る姿は、質の悪い冗談のようでもある。(中略)
フェミニズム運動は国家とどのような関係を取り結ぶのか。誰を代表するのか。その自律性を保つために何が必要なのか。かつて日本のフェミニズム運動が国策に動員され、加害の一端を担った過去を想起するとき、これらの問いはいっそう切迫感をもってくる。右派政権によるフェミニズム利用を見つめ分析することを通して、フェミニズムのありかたそのものを議論する場を開いていきたい。(「特集にあたって」より)
・・・・・・
特集 「女性活躍」政策の5年――利用されるフェミニズム
特集にあたって 本山央子
「女性の活躍」と右派の本音 山口智美
目的か手段か?―― ジェンダー政策課題は、いかに設定されてきたのか 内藤和美
安倍政権期における軍事強硬主義的女性閣僚増加の構造 海妻径子
労働分野のジェンダー・ギャップは是正されるのか? 固定化されるのか? 金井郁
今こそ声を上げて、連帯しよう 吉永磨美
外交分野における「女性」の活用 本山央子
災害多発の日本で、女性はどのように考え、活動していくのか 堀久美
[国内女性ニュース]
女性差別撤廃条約選択議定書の批准を― CEDAW委員パトリシア・シュルツさん講演集会開催 濱田すみれ
【インタビュー】パトリシア・シュルツさん CEDAW個人通報作業部会長に聞く― 選択議定書批准のために日本のNGOができること
川崎市でのイスラエル軍事見本市に抗議して 吉田亜矢子
ユニクロの元下請工場労働者 柳井社長との面会を求めて来日 濱田すみれ
[海外女性ニュース]
サンフランシスコ「慰安婦」メモリアル碑1周年記念に参加して― 性奴隷被害者の痛みを記憶し、繰り返させないという決意に連帯する 方清子
韓国放送界初、公共放送KBSに性平等センター開所 外部から被害者相談のプロをセンター長に 岡本有佳
挺対協創立28周年記念シンポ 日本軍性奴隷制問題解決のための南北連帯、国際連帯へ 岡本有佳
[連載]
フェミの本棚
アジアをつなぐアクティビズム 戦時性暴力被害者支援のいま
万愛花さんの声 趙金貴
アンコールからのんびり便り 中川香須美
まちや通信 佐藤智代子
香港便り 小出雅生
[AJWRC information]
セミナー報告「スポーツの軍事化とオリンピックの政治」
ビジョンづくりワークショップ報告/インターン紹介/センターの主な活動
・・・・・・
※『女たちの21世紀』のバックナンバーはこちらからご覧ください。
※この機会に、アジア女性資料センターの会員になりませんか? 会員になると「女たちの21世紀」が毎号届きます! 詳細はこちらからご覧ください。