「北京+25」東アジア女性フォーラム開催
2019/08/29
2019年8月12-13日に韓国・ソウルで、「北京+25」東アジア女性フォーラムが開催された。韓国女性団体連合(KWAU)、ソウル市女性家族財団、アジア太平洋女性法律開発フォーラム(APWLD)の共催で、韓国、中国、日本から、ジェンダー平等に取り組むNGOが参加。第4回世界女性会議(北京会議)から25年という節目となる2020年に向けて、東アジア地域における北京行動綱領の実施状況と新たな課題を話し合った。
1日目は、ソウル女性プラザで「女性に対する暴力」「女性と経済」「女性、平和・安全保障」の3つの分野について、3か国から報告があった。#MeTooムーブメントは東アジア地域でも大きな力となり、さまざまな動きが広がっているが、性暴力は後を絶たない。各国ともに被害者を守る法整備には大きな課題がある。男女間の賃金格差の是正は進んでいない。労働分野のジェンダー平等を求める取り組みをさらに強めていかなければならないだろう。2017年まで朝鮮半島における軍事的な緊張は高まり続けていたが、北コリアと南コリアの3回にわたるサミット、そして北コリアと米国によるサミットの開催によって、状況は大きく変化した。しかし、東アジア地域における軍事防衛予算の拡大は深刻な問題だ。国連安保理決議1325号の国内行動計画が策定されているのは韓国と日本で、策定過程やその後の動きについても報告された。
2日目は、KWAUの建物にてワークショップが行われた。1日目のセッションで共有された課題を確認し、今後、東アジア地域で求められる取り組みが話し合われた。ジェンダーや平和に関する教育を広めていくこと、徴兵制の社会的影響についてさらに議論が必要なこと、増え続ける軍事防衛予算を社会保障予算に回すよう働きかけることなど、幅広い世代が参加して活発に意見交換が行われた。
WEF(世界経済フォーラム)のジェンダーギャップ指数(2018年)では、149ヶ国中、中国103位(経済86位、教育111位、健康149位、政治78位)、日本110位(経済117位、教育65位、健康41位、政治125位)、韓国115位(経済124位、教育100位、健康87位、政治92位)にランクするなど、東アジア地域にはジェンダー平等の課題は山積している。今後「北京+25」に向けて各国でさまざまなアクションに取り組み、ジェンダー平等社会の実現を共に進めていこうと確認し、2日間のプログラムは終了した。