アドボカシー・キャンペーン

市川房枝記念会への申し入れ

2006/08/17

(財)市川房枝記念会                    
理事長   本尾 良 様
常務理事  山口みつ子様
理事・監事・評議員の皆様            2006年8月17日

 アジア女性資料センターを運営する私たちは、貴財団が本年7月2日の理事会・評議員会で婦選会館の活動業務を大幅に縮小変更し、また職員解雇を決定されたことについて遺憾の意を表明し、同日決定を撤回されることを強く求めます。

 貴記念会および、婦選会館がこれまですすめてこられた活動は、故市川房枝さんの遺志を継ぎ、様々な女性グループの核としてネットワークを形成され、あらゆる場所に女性たちの意思を反映させようと行動を積み重ねてこられ、とりわけ、英語教育、政治教育の分野では、民官を問わずぬきんでた蓄積を重ねていらっしゃっていると承知しており、私たちアジア女性資料センターも心から敬意を表しています。
 建造物の耐震診断問題が今回の一連の発端であったと伺っていますが、その困難はこれまで築いていらっしゃった蓄積で、きっと乗り越えていかれるものと信じています。貴記念会および、婦選会館の役割や事業は、その任が不要になったわけではなく、むしろバックラッシュの強まっている現在、より重要性を増しており、是非継続される必要があるのではないでしょうか。女性の人権の確立、あらゆる分野への関与の割合は、未だ不十分極まりないものであることは、皆様方は十分ご存知のことと存じます。

 さらに重大な問題は、これまで財団で力を尽くし、働いてきた女性たちの労働権に関わる問題です。女性関連NGOで働くということは、残念ながら今日の社会状況においてはまだまだ十分ではありません。そうであっても、経営側は率先して努力し、働く女性たちの処遇が満足のいくものに一歩でも近づけるよう進めていく責任があります。労使という互いの立場を十分了解して、その上での共通理念の形成、相互尊重がなされてこそ、よりよい仕事ができると思います。
 残念ながら今回の職員に対する一方的解雇は、あまりに理不尽であり、説明もされず関係者協議もなされていないのでは、十分意が尽くされた結果であるとは到底認められません。今からでもまだ間に合います。是非、人権労働権が尊重され、女性人権NGOの範となるよう行動されることを願ってやみません。直ちに職員の女性たちへの解雇撤回と、より良い事業の発展継続を民主的な運営の中で実行されることを求めます。
                  
                       アジア女性資料センター運営委員一同

詳しいことは以下のサイトでどうぞ
http://www.mndds.com/fusen/
http://blog.goo.ne.jp/fusen5050

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