・ 日本政府に「慰安婦」勧告受け入れを求める声明
2008/06/14国連人権理事会 第8 会期(2008 年6 月2-18 日)
議題6:日本に対する普遍的定期審査(UPR)の検討 反拷問世界機構(OMCT)およびアジア女性資料センター(AJWRC)による共同声明
議長、ならびに理事国代表各位、
OMCT およびAJWRC は、ジェンダー暴力と女性に対する差別を含む日本の人権状況について、国連人権理事会による包括的審査を歓迎します。
私たちはまた、日本政府が、人権理事会の理事国に再選された国家として自発的な誓約と責務を表し、人権機構の義務を誠実に果た「大規模かつ組織的な人権侵害を含む人権侵害状況」について世界規模で取り組む決意を表明した事実を歓迎します。
わたしたちは、日本政府がこの誓約を真摯に果たす意思の証明として、それ自身が責任を負っている「大規模かつ組織的な」女性に対する人権侵害、すなわち、第二次世界大戦下における日本軍性奴隷制について取り組むことを期待します。この問題は、作業部会1報告
書の第15 項、26 項、32 項、37 項(5 項、18 項)で指摘されています。犠牲となった女性たちが数十年にわたる沈黙を破って以来、女性差別撤廃委員会(CEDAW)や拷問等禁止委員会(CAT)をはじめとする国際人権機構は、この問題について数々の勧告を行ってきまし
た。拷問等禁止委員会は、日本軍が行った性暴力と性奴隷制は国際法上の拷問にあたり、したがって「これらの犯罪に対する捜査、訴追及び処罰を阻止する」ような時効は適用されるべきではないと指摘しています。同委員会はさらに、これまでとられてきた救済措置
は不十分であるとして、「事実の公式な否定、事実の隠蔽または開示の失敗、拷問行為を犯した者に対する訴追の失敗、犠牲者と生存者への不十分なリハビリ支援2」によってもたらされる「虐待の継続と再トラウマ化」を止めるよう日本に呼びかけています。しかしながら日本政府は今日に至るまでこれらの勧告にまったく従っておらず、その間にも多くのサバイバーが正義をかちとることなくこの世を去りました。
私たちは日本政府に対し、日本軍性奴隷制に関する勧告をはじめ、すべての勧告を留保なく受け入れ、早急に行動を起こすこと、そうすることで、最も深刻な武力紛争下の女性に対する暴力のサバイバーに対する救済保障におけるベスト・プラクティスを示されるよう求めます。そのような行動がとられない場合、果たして日本が理事会の責任あるメンバーとして行動しうるか、その能力に重大な疑問が投げかけられることになるでしょう。
ご静聴に感謝します。
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(1) 5 月9 日に行われた日本審査では、いくつかの国(フランス、韓国、中国、オランダ、朝鮮民主主義人民共和国)が、国際社会および国連人権機関の勧告に対する真摯な対応を日本に求め、2 つの関連する勧告が結論に盛り込まれた。
(2) さらに近年、アメリカ合衆国、カナダ、EU、オランダ、フィリピンが、深刻な人権侵害の犠牲者への謝罪と救済措置の提供を日本に求める決議を採択している。