旧日本軍による「慰安婦」隠しか 看護婦雇用命令通知を発見
2008/06/236月19日付共同通信の報道によれば、敗戦直後、旧海軍が日本人「慰安婦」を軍の補助的看護師として雇用するよう命じた通達文書が、林博文教授により英国立公文書館で確認された。「慰安婦」の存在を連合国軍側から隠ぺいするねらいがあったと見られる。
日本政府は「慰安婦」問題に関して、道義上の責任は認めるが法的責任は認めないとする立場をとっている。しかし敗戦時に軍属雇用する配慮から見ても、軍が事実上深く関与していたことを示唆する史料といえる。林教授らによると、命令の中で言及された「日本人」には朝鮮半島出身者も含まれていたとみられる。
発見されたのは、連合国側が暗号解読して作成された英公文書で、要旨は次の通り。
一九四五年八月十八日、第一南遣艦隊司令長官からサイゴン
第一一特別根拠地隊などあて
一、シンガポールの海軍「慰安施設」に関して、日本人従業員は
海軍第一〇一病院で雇用されることになった。より多くの少女が
補助的な看護婦とされた。これと同様の措置をとるようにせよ。
同二十日、第八通信隊から(海軍)民政部の全責任者あて
一、全地区の日本女性を地方病院(第一〇二病院または民政部病
院)に看護婦の資格で割り当てよ。(この電文は完全に理解後、
焼却せよ)
共同通信(2008.6.19)
敗戦後、慰安婦を看護婦に 旧軍の命令、文書で初確認